車の維持費についての疑問

車の購入における年収に対する割合の目安は?購入後の維持費も踏まえて解説

車の購入は大きな買い物の一つなので、マイカーローンを組んで購入する方も多いでしょう。その際、年収に対してどの程度の割合が目安なのか疑問に思うかもしれません。購入する予算が明確になることで、対象になる車を絞り込むこともできます。

この記事では、車の購入金額は年収の何割が目安になるのか、購入後の維持費を抑える方法も含めて詳しく解説してきます。

車の購入予算は年収の半分が目安

車の購入予算は年収の半分が目安
車の購入予算は一般的に年収の半分程度が目安とされています。これは購入時の諸経費や年間維持費を踏まえた時に、購入後も生活に支障をきたさないようにするためです。

しかし、あくまで目安なので状況によっては判断が異なることもあるでしょう。年収だけでなく、以下の項目についても加味する必要があります。

  • 車の維持費
  • 現在の貯蓄額
  • 月々の手取り収入額
  • 毎月かかる生活費用
  • 今後、大きな出費があるか(住宅購入・結婚・引っ越し・子供の教育費など)

現状の日常生活にかかる費用を踏まえた上で、余裕を持って車を購入することがポイントです。

年収を踏まえた車の購入時に気をつけることは?

年収を踏まえた車の購入時に気をつけることは?
それでは、具体的に年収を考えた上で車を購入する場合、注意する点はどのようなことがあるのでしょう?

項目別に詳しく解説していきます。

車の購入で注意しておきたいことは何ですか?
自分のライフプランに応じて考える必要があります。今後大きな出費がある場合や購入後の維持費も視野に入れて、資金に余裕を持った購入を心がけておくことが大切です。
①現在の貯蓄額

購入時に気をつけるべきことの1つ目は、現在の貯蓄額がどのくらいあるかです。

車の購入予算が年収の半分が目安だとしても、使える貯蓄額がある場合は、それ以上の車を購入しても問題ないでしょう。その際、気をつけておきたいことは衝動買いにならないようにすることです。

本当に貯蓄額を使って購入することがベストであるか、慎重に考えておく必要があります。事前に車に使う予算を明確にしてから車選びを行うことで、リスクを回避することに繋がります。

ディーラーや中古車販売店で車を見ると、より良い車を選びたくなるかもしれません。事前に上限を決めておくことで、ライフスタイルに影響を与えにくくなるでしょう。

②今後の大きな出費

2つ目は、これから大きな出費があるかどうかです。

実際、家族構成によっても車選びは変化します。例えば何人か子供がいる家庭であれば、ファミリーカーやミニバンが使い勝手が良いでしょう。

さらに、子供にかかる教育費は大きな負担になります。子供が成長していくにつれて教育費は高額になっていきます。その点を踏まえた出費も視野に入れなければなりません。

また、住んでいる地域によっては、公共交通機関が不便で複数自動車を所有するケースもあります。台数が増える分維持費もかかってしまうため、セカンドカーは軽自動車にして購入価格や維持費を抑えることも必要です。

その他、住宅の購入など大きな買い物を今後考えているのであれば、その点も考慮に入れておきましょう。

③「一括払い」か「ローン払い」か

3つ目は、車の購入が「一括払い」か「ローン払い」であるかです。

一括払いであれば購入金額のみを支払えば問題ありませんが、ローンを組むと利息を負担することになります。

ローンの金利については、どこの金融機関を使うかによって変動します。一般的に金利が低いと言われる銀行系のマイカーローンでも、金利は1.5%~3%程度です。

そして、ローンを組む際に頭金や返済期間をどれくらいにするかによって、利息も変わってきます。理想的なのは、頭金を多く入れてローンの金額を減らし、返済年数を少なくすることで利息金額を抑える方法です。

しかし、あくまでも自分の生活状況に合わせた支払い設定で行うことが大切です。月々の支払金額を抑えて長期ローンを組むと、金利分の支払いが多くなる点は知っておきましょう。

④車に使える月々の金額

4つ目は、車に使える月々の金額を把握しておくことです。

車は購入費だけではなく維持費もかかります。マイカーローンの返済だけではなく、燃料費や車検、各種税金などの支払いが必要です。その点も考慮して、車に使える金額を明確にしておくことが大切です。

また、住宅ローンや教育ローンなどが増えるケースも考えられます。購入した時は問題なく対処できていても想定外な負担がかかる場合がありますので、資金的に余裕を持たせた状態にしておくことをおすすめします。

⑤購入費だけではなく維持費も加味する

5つ目は、維持費も加味して購入を考えることです。

車の維持費として、ガソリン代や高速道路の料金など使った分だけ費用がかかるものと、駐車場代や車検費用、各種税金、保険料など車に乗っていなくてもかかる費用があります。

維持費は車の利用方法や駐車場の有無によって大きく異なってきますが、購入金額の高い車は一般的に維持費も高くなる傾向があります。それは、車が大きくなると税金が高くなることや交換する部品も価格が高くなるからです。そのため、その後の維持費の見積もりも多くして購入を検討することが大切です。

また、安い中古車を購入した場合も注意しましょう。現物渡しと整備済の車では、メンテナンス費用に関して変動があるかもしれません。

現物渡しの車は、販売店で仕入れた車をそのまま販売するので、すぐに不具合が出てしまう可能性があります。その際の整備費用は自分で負担をすることになります。車の価格以上にメンテナンス費用がかかるケースもありますので、注意が必要です。

車の維持費について

車の維持費について
車は購入する時だけでなく、維持費もかかることを説明しましたが、その費用はどのような項目があるのでしょう?

ここからは、維持費の詳細について詳しく解説していきます。

車の維持費にはどのような項目がありますか?
車の維持費には、各種税金や自賠責保険・任意保険がかかります。それ以外にも、車検やメンテナンス費用、ガソリン代など運転するとかかる費用も含まれてきます。
①自動車税・自動車重量税

車を所有すると税金がかかります。税金の内訳は、環境性能割、自動車税・軽自動車税、自動車重量税です。

環境性能割とは、三輪以上の小型自動車および普通自動車(特殊自動車は対象外)を取得した際に、燃費性能などに応じて課税される税金です。自動車の主となる定置所在がある都道府県に税金を納めます。

自動車税や軽自動車税は毎年4月1日時点で車を所有している方に課せられる税金で、毎年5月に納付書が送られてきます。排気量が多くなるほど税金も高く設定されています。

自動車重量税は、車検時に前払いで納付する税金です。車の総重量に応じて金額が異なっています。

②自賠責保険・任意保険

車の保険には「自賠責保険」と「任意保険」の2種類があります。

自賠責保険は、強制保険とも言われており、車を所有すると加入が義務付けされています。もし加入せずに公道を走行した場合、違反点数6点と50万円以下の罰金又は1年以下の懲役が課せられます。さらに、車検時には車検期間分の自賠責保険に加入しなければ、車検を通すことができません。

自賠責保険の目的は被害者救済であり、被害者に対して最低限の補償を行うために利用されます。そのため、事故相手の車に損害を与えた時や運転者自身が怪我をしてしまった場合、自分の車が壊れてしまったケースは補償されません。また、人身事故でも自賠責保険の支払限度額を超える分の補償はされないこととなっています。

任意保険は、自賠責保険で受けられない運転者や搭乗者の補償や対人・対物補償、車両保険などの補償を受けることが可能です。万一のためにも任意保険に加入しておくと安心です。

③車検費用

車検は国が定めている安全性について対象の車が基準を満たしているかを検査する制度です。普通乗用車は新車であれば3年、継続検査は2年経過後に実施していきます。車を乗り続けるために車検費用は必要な項目です。

車検を依頼する業者として、ディーラー、ガソリンスタンド、カー用品店、車検専門店などがあります。基本的に法定費用はどこに行っても変わりませんが、整備費用については業者によって金額に差があります。車をどこに依頼するかは、自分の状況に応じて使い分けると良いでしょう。

一般的にディーラーで車検を通す場合は費用が高くなり、ガソリンスタンドや車検専門店などは整備費用が安くなる傾向があります。特に車検専門店は車検を主業務として扱っており、メンテナンスの程度も複数選択できるため、自分の要望に合ったやり方がしやすいと言えるでしょう。

④メンテナンス費用

車を安全に運転するためには、定期的にメンテナンスが必要になります。エンジンや足回り、タイヤなどは年数経過によって部品の劣化が進みます。劣化によって安全性が保たれなくなるので点検や修理、部品交換を行わなければなりません。

特にエンジン系は故障すると修理が高額になるケースが多いため、定期的なオイル交換は必須と言えます。車を長く安全に乗るためにも、メンテナンスは定期的に行うことが大切です。

⑤運転する時にかかる諸経費

運転する時に必要となる諸経費として、ガソリン代や高速道路の料金、駐車料金などがあります。

その中でも金額が大きいのが、ガソリン代です。走行距離が多くなればなるほど費用がかかるので、月どのぐらい走行するか知っておくと良いでしょう。近年はガソリンの値段も上昇しているので、なるべく燃費の良い車を選べば費用を抑えることも可能です。

また、高速道路を使う頻度が高い場合は、ETCの利用がおすすめです。国土交通省の発表では、ETCの使用率は9割を超えています。走行する際に入場、退場がしやすい点も魅力的ですが、ETC使用による高速道路料金の割引が適用されるのがメリットです。

その他、深夜割引や休日割引、高速道路割引プランなどがありますので、使用する際は上手く活用して、費用を抑えましょう。

費用を抑えた車選びについて

費用を抑えた車選びについて
車の維持費について説明してきましたが、車の購入費用を抑えるためには、どのようなことに気をつけて車を選べば良いのでしょう?

ここからは、費用を抑える方法について詳しく解説していきます。

車の費用を抑える方法はありますか?
車の費用を抑えるためには、購入時に中古車を検討する、エコカーで減税が適用される車種を選ぶことです。購入後は、任意保険の内容の見直しや費用を抑えたメンテナンス業者を探すことで車にかかる費用を抑えることができます。
①中古車の購入を検討する

費用を抑えた車選びをする1つ目の方法は、中古車の購入を検討することです。新車に比べて価格が安い点が中古車の魅力です。

しかし、中古車というと故障を心配する方も多いかもしれません。その場合は保証サポートや整備体制が整っている状態であれば安心できるでしょう。販売店によって保証内容も異なりますので、複数の販売店で確認することをおすすめします。

また、登録済み未使用車を購入する方法もあります。登録済み未使用車とは、中古車でありながら一度も公道を走ったことのない車です。走行距離も少なく、新車とほぼ同様なコンディションにも関わらず、新車に比べて数十万円ほど安く購入できるのがメリットです。

それ以外には、ディーラーで販売されている認定中古車も良いでしょう。認定中古車とは、ディーラーが独自の厳しい基準をクリアした車のことで、品質面で優れた中古車のことをいいます。販売前にメンテナンスをしっかり行った状態で販売されるため、保証期間も長く設定されるのが一般的です。

新車よりも価格を抑えられる、これらの中古車を購入することで費用を抑えることができます。

②燃費に優れた車を選択

2つ目の方法は、燃費性能に優れた車を選ぶことです。ガソリン代を節約するなら、年式が古い車や排気量の大きい車などは燃費が悪い傾向がありますので、避けるのが無難です。

最近の車は、燃費性能が飛躍的に向上している傾向があります。現在販売されている新車は、リッター20km以上走行できるものが多数あるほどです。

一昔前であればリッター10km未満の車も多かったことを考えると、燃費の良い車を選ぶことは費用を抑える上で有効です。実際、燃費が2倍違えば、かかるガソリン代も半分になります。

特に車を頻繁に使う予定で走行距離が多くなりそうであれば、お得になるでしょう。

③任意保険の見直しを図る

3つ目の方法は、任意保険の見直しをすることです。

補償内容で迷うのは、車両保険をかけるかどうかでしょう。新車を購入するなら、車両保険をかけておけば全損事故に遭っても補償されるので安心です。しかし、年式が古い車であれば、車両保険をかけるよりも買い替えるほうが費用がかからないケースもあります。

また、任意保険にはダイレクト型と代理店型の2種類があります。人件費や中間コストなどをカットしているダイレクト型のほうが、保険料が安くなる傾向があります。

近年、テレビCMなどで目にする機会も多いかもしれません。インターネットを利用して細かく補償内容を設定することもできるため、人気のある保険です。もし保険料を抑えたいと思っているなら、ダイレクト型にするのがおすすめです。

このように、自分の車の状況に応じて補償内容を変更することは、費用を抑えるために必要です。

④メンテナンスを依頼する業者を選ぶ

4つ目の方法は、メンテナンスをお願いする業者を選ぶことです。

品質面で考えるならディーラーが良いと言えますが、費用が高い点がネックです。基本的にディーラーは純正部品を使用するため、部品代も高くついてしまいます。また、整備や点検に関しても品質を良くするために軽度であってもしっかり対応するため、車検を通す際も費用は高めになるのが一般的です。

費用を抑えたいなら、ディーラーに依頼するのはおすすめとは言えません。実際、安い費用で高品質なサービスを行っている業者もあります。汎用品を利用したり、中古部品で修理を行ったりすることで車の品質を維持させることも可能です。そのような業者もありますので、口コミや車に詳しい人に相談して、優良な業者を探してみるのも良いでしょう。

⑤エコカー減税の対象車を選択する

5つ目の方法は、エコカー減税の対象車を選ぶということです。

車を購入するなら、税金を納める必要があります。環境に優しい車は、昨今の環境問題の影響により税金面で優遇されています。そのため、エコカーを購入することで、その恩恵を受けることが可能です。

例えば、2021年5月1日から2023年4月30日までに新車登録した電気自動車等は、自動車重量税の減税を以下のように受けることができます。

2030年度基準の達成率ごとの減税内容
120%以上達成 2回目の車検まで免税
90%以上達成 初回車検免税
75%以上達成 初回車検50%減税
60%以上達成 初回車検25%減税
60%未満 エコカー減税対象外

*電気自動車等とは、乗用車について電気自動車・燃料電池自動車・プラグインハイブリッド自動車・天然ガス自動車・クリーンディーゼル乗用車(一部要件見直し)が当てはまる。

それ以外にも自動車税環境性能割やグリーン化特例がありますので、自分の購入する車が対象なのか確認しておくと良いでしょう。

まとめ

①一般的に車における購入費用は、年収の半分が目安
②年収を踏まえて車を購入する時の注意点としては、ライフスタイルに合わせて今後の維持費に対しても余裕を持った購入を心がけること
③車の維持費には、税金、保険、車検費用、メンテナンス費用、ガソリン代などがある
④車にかかる費用を抑えたいなら、中古車やエコカーを購入すること、保険料の見直し、メンテナンスする業者を選定することがおすすめ
※本記事は公開時点の情報のため最新と異なる場合があります。
カータル編集部
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