車の売却についての疑問

メンテナンスノートは車の売却で必要?紛失時の対処方法

車を売却する際に色々な書類や付属品などが必要とされていますが、メンテナンスノートはどうなのでしょうか?

メンテナンスノートには、これまでの車のメンテナンス内容が記載されています。そのためノートを見れば整備状況がよく分かります。

車の買い手にとっては、きちんと整備された車だと証明されるものなので、付いていると安心できます。

また、売却時にメンテナンスノートが紛失していた場合はどうすればよいのでしょうか?その対処法も紹介するので参考にしてください。

メンテナンスノートの内容

メンテナンスノートというのは、「車のメーカーの保証書」と「点検整備記録簿」がセットになったものを意味します。

メンテナンスノートは、車の所有者が保管しておかなければならない重要な書類です。法律でも常に車内に携帯しておくことが義務付けられています。ただし、携帯していなくても特に罰則がないことから、自宅で保管したり紛失してしまったりという方も中にはいるでしょう。

メーカーの保証書は、車の安全を証明する書類です。もし不備や故障などが起きた場合、保証期限内であれば一部有償もしくは無償で修理や部品の交換などがしてもらえます。その際に必要となる大事な書類なので、きちんと保管しておかなければなりません。

点検整備記録簿は、新車購入時から今日に至るまでの車のメンテナンス内容が記されています。

メンテナンスノートを見ることで、今までどのようなメンテナンスをしたのかを明らかにできます。

メンテナンスノートの重要性

メンテナンスノートの重要性
車にいつどのようなメンテナンスを行ったかが細かく記されてるのが「点検整備記録簿」です。オイルやバッテリーなどの部品を交換した日付け、内容などが記載されているので、定期的に消耗品の交換をしているかどうかがよく分かります。

6ヶ月や12ヶ月の法定点検は法律で規定されているので受ける義務があります。しかし、受けなくても罰せられないので、受けずに済ましているかもしれません。法定点検をきちんと受けているかは、メンテナンスノートを見ればすぐに分かります。

定期的にメンテナンスをきっちり行っている車は、査定でもプラス要素になります。査定額アップのアピールポイントにもなるので、査定員に提示できるようにしておきましょう。

メンテナンスノートがなくても車の売却は可能

メンテナンスノートがなくても車の売却は可能
査定において外装や内装など見た目で傷や凹みの有無、汚れなどは見た目である程度は分かります。しかし、エンジンルーム内や足回りなどの部品の状態やメンテナンスの有無は見ただけでは分かりにくいものです。

そんな時、メンテナンスノートがあれば車の状態を把握しやすいと言えるでしょう。きちんと整備してあれば、その分買い手にとっての安心感につながります。

車の売却にはメンテナンスノートは必要ですが、紛失していても売却自体は可能です。メーカーの保証書がなくても売却はできます。

メンテナンスノートがないと査定額は下がる

メンテナンスノートがないと査定額は下がる
メンテナンスノートがなくても車を売ることは可能です。しかし、査定額が下がる可能性は高いでしょう。

中古車市場では同じ年式、車種の車があれば、やはりきちんと整備されているほうが故障リスクも低いと判断されるので、価値が高くなります。

査定時に、定期的に車の整備を行っていると査定員に伝えることは大事です。ただし、適切な整備の事実を裏付けるメンテナンスノートがないと説得力がありません。

そうなると残念ながら、実際には整備されているか分からない、整備されていないと判断されてしまい、査定ではマイナス要素です。

一般財団法人日本自動車査定協会(JAAI)の定める中古車査定基準及び細則には、査定時のメンテナンスノートの有無に関する規定があります。

メンテナンスノートがないと、新車から5年落ちまでの車は約20,000円~40,000円、6年以上の車だと約10,000~30,000円のマイナス査定となる可能性があります。

逆にメンテナンスノート(車のメーカーの保証書と点検整備記録簿)と車の取扱説明書の3点全てが揃っていれば、約10,000円査定額がプラスされることもあります。

この中古車査定基準及び細則は、中古車買取業者が主に査定時における基準、査定のベースとして取り入れていることが多いので、チェックしておくとよいでしょう。

メンテナンスノートを紛失した時の対処法

メンテナンスノートを紛失した時の対処法
車の査定前にメンテナンスノートを探したが、見当たらないという方もいるかもしれません。

その場合は、まずメンテナンスノートを車から移動させていないかを思い出してみてください。業者にメンテナンスに出した際に、返却されていない可能性もあります。

それでも見つからない時は再発行できないかを確認します。車を購入したディーラーなどにデータが残っていれば、再発行ができるかもしれません。

また、保証書に関しても再発行できる場合があるので、車の購入先に連絡を取って依頼してみましょう。

点検を受けた際の整備工場へ確認してみる

メンテナンスノートの紛失に気づいたら、まずは心当たりを探してみましょう。

通常、メンテナンスノートは車検証や自賠責保険証明書などと一緒に車の助手席前にあるダッシュボードの中や座席下の収納ケースなどに保管されていることが多いです。車内の他の場所にないかまずは隅々まで探してみてください。

また、任意保険の更新手続きなどの際に車検証と一緒に車から移動させて自宅に持ち込んだまま戻していない可能性もあります。

法定点検やオイル交換などのメンテナンスを受けると、点検整備記録簿に記載がなされます。点検やメンテナンスを受けたディーラーや整備工場、カー用品店のスタッフがメンテナンスノートを車から下ろし、返却し忘れている可能性も考えられるので、一度問い合わせてみましょう。

再発行できないか問い合わせてみる

探しても見つからない場合は、再発行するという手段も検討してみましょう。

点検整備記録簿は、法律で車内に携帯することを義務付けており、紛失した場合は想定されていません。そのため、再発行はできないことになっています。

しかし、車の購入先であるディーラーに車の購入のデータが残っていれば、再発行してもらえる可能性があります。車を購入してから数年経過した程度なら、データが残っている可能性が高いです。

また、保証書に関しても同様にディーラーに確認すれば再発行できるかもしれません。ディーラーによっては点検整備記録簿や保証書の再発行に費用がかかる場合もあるので、確認しておくことをおすすめします。

点検整備記録簿は再発行しても査定額が下がってしまう可能性がある

点検整備記録簿を再発行してもらえたとしても、まだ安心できません。

記録簿に新車購入からこれまでの点検整備の記載ができなければ、やはり紛失したのと同じ扱いになってしまいます。

ディーラーで新車を購入し、新車時からこれまでの法定点検やオイル交換などのメンテナンスを全てディーラーで行っていれば記録が残っているはずです。そうであれば、再発行時に記録の追記をお願いすれば、やってもらえる可能性が高いです。

しかし、整備工場やカー用品店などでメンテナンスを依頼している方は、再発行された点検整備記録簿を持参してメンテナンスの依頼先に追記をお願いしに行く必要があります。応じてもらえるかどうかが依頼先によるので一概には言えません。

メンテナンスノートが紛失すると数万円のマイナス査定となる場合もあるので、できることはやっておいたほうが良いでしょう。

保証書は再発行してもらうほうがよい

保証書の場合は、国産車であれば購入したディーラーに問い合わせれば再発行してもらえる場合が多いです。

ただし、海外のメーカーの場合は再発行に応じない所もあるので、注意してください。

ディーラーに問い合わせて車検証を持参し、ディーラーに出向けば手続きしてもらえます。有料になる場合もあるので事前に確認しておくのがおすすめです。

保証書は紛失していると、故障などのトラブル時に保証期間内であっても保証が効かない場合があります。とても重要な書類であり査定額にも影響があるので、少し手間はかかりますが再発行してもらったほうが良いでしょう。

中古車の場合、前の所有者が失くした可能性もある

今乗っている車を中古車で購入していれば、購入時からメンテナンスノートを紛失していたという可能性も考えられます。

前の所有者が既にメンテナンスノートがない状態で車を売却していれば、当然次の所有者の手元にはありません。そのため、新車時の車の販売店を調べることができれば、再発行を依頼できる場合があります。

ただし、新車から結構な年数が経過していると、中古車の購入先から前の持ち主に連絡を取ってもらうのも難しくなります。たとえ販売元のディーラーが判明しても、データが残されていないかもしれません。そうなると、もう再発行の手段がなくなってしまいます。

その場合は「中古車として購入した時点から携帯されていなかった」と、査定時に説明しておいたほうが良いでしょう。

自分が中古車を購入した時点で既にメンテナンスノートはなく、紛失は自分の責任ではないことを説明しておくと、業者との信頼関係が築けるはずです。

取扱説明書やスペアキーも大事

取扱説明書やスペアキーも大事
メンテナンスノートと同様に車の「取扱説明書」も車を売却する際に必要な書類の一つとなります。

車に備え付けられた機器の操作や部品の交換、不具合の確認などを行う際は、取扱説明書を見るという方も多いです。電化製品でもそうですが、取扱説明書がないと必要な操作や修理などができないのでとても不便です。業者にメンテナンスを依頼する際も、スタッフが取扱説明書を確認することがあります。

取扱説明書がないと、一般財団法人日本自動車査定協会(JAAI)の定める中古車査定基準及び細則では、査定額が約5,000円減額と設定されています。カーナビの取扱説明書については約3,000円の減額となります。オーディオ機器やドラレコの説明書については特に設定はされていません。

また、「スペアキー」についても紛失すれば査定額が下がる可能性が高いです。

JAAIの中古車査定基準ではキーシリンダーセットの紛失は、1台につき約30,000円の減額となります。リモコンキーの紛失1個につきは約20,000円、キーレスシステムの紛失1個につきは約40,000円査定額が下がります。

スペアキーは車を購入した時に必ず付いてくるので、失くした場合はマイナス査定となってしまうのです。

リモコンキーを紛失した場合は、ディーラーに問い合わせると合鍵を作ってもらえるかもしれません。ただし、合鍵作成には10,000円~20,000円ぐらい費用がかかります。

査定時の減額分よりも合鍵作成のほうが安い場合は、作ってもらったほうが良いでしょう。

鍵の種類によっては、出来上がりまでに時間を要する場合もあるので、早めに依頼しておくのがおすすめです。

車売却時に必要な書類と紛失時の対応

車売却時に必要な書類と紛失時の対応
車の売却にはメンテナンスノート以外にも様々な書類が必要となります。それは、車検証、自賠責保険証明書、納税証明書、リサイクル券などです。

車の売却予定があるなら、必要な書類が紛失していないかを早めのチェックしておきましょう。もし紛失していれば、再発行の手続きをしなければならない書類もあります。

再発行には、ある程度時間を要します。すぐに発行してもらえないものもあるので注意が必要です。

車検証

車検証は車が車検を通っている、つまり自動車の保安基準をクリアしていることを証明する書類です。登録番号や車台番号など、車に関する情報が記載されています。

車検証は携帯が義務付けられており、ダッシュボードに保管されているのが一般的です。

もし紛失に気づいたら、運転免許証などの本人確認書類を持参し、管轄の運輸支局に出向けば再発行ができます。

窓口でもらえる申請書に必要事項を記入し、手数料を数百円支払えば即日に車検証が再交付されます。

自賠責保険証明書

自賠責保険は、公道を走行する車は全て加入しなければならないと法律で決まっている強制保険です。

一般的に新車購入時に加入し、車検時に更新していきます。保険期間は次の車検までで、保険料も車検時にまとめて支払います。

自賠責保険証明書は、車検証と同じファイルに収納されている場合が多いです。

もし見つからない場合は、自賠責保険を契約した保険会社に連絡して再発行してもらいましょう。

保険会社が分からない場合は、車検を依頼した業者や車を購入したディーラーに問い合わせると教えてくれます。

納税証明書

納税証明書は、自動車税(種別割)や軽自動車税を納めたことを証明する書類です。

自動車税は毎年納付書が車検証記載の住所に郵送されてくるので、金融機関やコンビニなどで納税します。その際に納付証明書が渡されるので、保管しておかなければなりません。

もし紛失に気づいたら、自動車税の場合は管轄の運輸支局で、軽自動車税の場合は納税した市町村区の役所で再発行が可能です。

再発行には車検証や印鑑などが必要で、ほとんどの所では手数料はかかりません。

印鑑登録証明書

印鑑登録証明書は、普通車を売却する時に必要です。軽自動車の売却には不要なので、間違えないようにしましょう。

印鑑登録証明書は、普通車を売却する時に使う実印が本人のもので間違いないことを証明する書類です。発行から3ヶ月以内のものしか使えないので、気を付けてください。

印鑑登録には実印を登録する印鑑と運転免許証などの本人確認書類が必要で、市町村区の役所窓口で手続きを行います。

印鑑登録を行うと印鑑登録カードが発行されます。次回からは実印がなくても、印鑑登録カードを持参すれば印鑑登録証明書の発行手続きが可能です。

リサイクル券

リサイクル券は、車を購入した際に廃車にする時にかかる費用を予め支払っていることを証明する書類です。

リサイクル券も車検証と同じファイルに収納されていることが多いです。

もし紛失してしまっても再発行はできませんが、ネットの「自動車リサイクルシステム」というサイトから、リサイクル預託金を支払ったかどうかが確認できます。その際、車台番号や登録番号の入力が必要なので、車検証を手元に準備しましょう。

支払い済みのページをプリントアウトして、車を売却する際にリサイクル券の代わりとして提出することが可能です。

必要な書類は早めに所在を確認しておくべき

必要な書類は早めに所在を確認しておくべき
車を売却する際は、色々な書類が必要となります。

メンテナンスノートや取扱説明書のように、紛失していると査定額が下がる書類もあります。そのため、紛失していないか早めに確認しておきましょう。

もし再発行が可能で、減額される査定額よりも安く手に入るなら、すぐに手続きすることをおすすめします。

査定額に関係なく、車検証などは売却に欠かせない書類です。紛失していると売却契約自体できません。再発行に時間を要する場合もあるので注意しましょう。

まとめ

①メンテナンスノートとは、車の保証書と点検整備記録簿がセットになったもの
②メンテナンスノートがなくても車の売却はできますが、査定額が下がる可能性が高い
③車の保証書はメーカーで再発行してもらったほうが良い
④点検整備記録簿は再発行できたとしても、これまでの整備記録が追記できなければ持っていないことと同じ扱いになる
⑤取扱説明書やスペアキーなどを紛失していると査定額が下がることもある
⑥車の売却には車検証や自賠責保険証明書などの書類が必要
※本記事は公開時点の情報のため最新と異なる場合があります。
カータル編集部
カータル編集部
この記事は中古車の売却、査定などについての知識が豊富な私たちが執筆しています。車を少しでも高く売るコツや必要な書類、手続きに関する疑問や質問にお答えしています。

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