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車を売却する際に車検証の住所と現住所が違っていることに気づくケースも多いとされています。
本来であれば、引っ越して住所が変わったら、車検証の住所変更も行わなければならないと法律で決まっています。しかし、住民票は移動させたけど、車検証の住所変更までは気が回らなかったというケースが多いのも事実です。
では転居して車検証記載の住所と現住所が異なった場合、どのように車の売却手続きをすればいいのか説明していきます。難しい手続きはありませんので、安心してください。
車を売却する時の必要書類
車を売却する際は、普通車と軽自動車では必要な書類が多少異なります。
普通車と軽自動車に共通しているのが「車検証」「自賠責保険証明書」「リサイクル券」です。この3つの書類は、車の取扱説明書などと一緒にファイルに挟まれた状態で、ダッシュボードのコンソールのボックスなどに収納されていることが多いです。
そして、普通車を売却する場合は、自動車税納税証明書、印鑑証明書、実印が必要となります。印鑑証明書は、実印であることを証明するための書類です。
軽自動車を売却する場合は、軽自動車納税証明書と認印を準備しましょう。
車検証と現住所は違う場合が多い
車を売却する際に、車検証を見て現住所になっていないことに気づく方もいるでしょう。
車を購入してから1回でも引っ越して転居していれば、車検証記載の住所が以前の住所のままという場合があります。
通常であれば、引っ越して住民票を移動させたら車検証の住所を変更する必要があります。しかし、引っ越しの忙しさでつい忘れてしまったり、面倒になって後回しにしたりすることもあるかもしれません。
そして、手続きをしないでそのまま忘れてしまったという方も少なくないのが現状です。
転居したら車検証の住所変更をしておく必要がある
引っ越しをして、車検証の住所と現住所が異なる場合は車検証の住所変更を行わなければいけません。それは「道路運送車両法」という法律でも規定されています。
具体的には所有者の住所または使用の本拠地に変更があった時は、その事由があった日から15日以内に住所変更をしなければならないとされています。
もし住所変更をしない場合は、法律違反で500,000円以下の罰金が科されることになります。ただし、現実には法律違反を取り締まり、罰金が科されるということは少ないです。
しかし、法律で規定されている以上、住所変更は必ず申請しておくようにしましょう。
住所変更してなくても書類を揃えれば車の売却は可能
転居後に忙しくて、車検証の住所変更をうっかり忘れてしまうということも考えられます。車の売却予定がある場合、住所変更していなくても手続き可能か気になるところです。
車検証記載の住所と現住所が異なっていても、必要な書類を準備すれば車の売却ができます。どのような書類が必要かを把握し、早めに準備しておきましょう。
住所変更してなくても査定額に影響なし
車検証記載の住所と現住所が異なると、査定のマイナス要因となってしまうか心配な方もいるでしょう。
車検証の住所変更はしていなくても、特に査定額は減額とはなりません。
車の査定というのは、あくまでも年式や走行距離、部品の消耗や劣化具合といった今の車の状態を判断した値段です。また、中古車市場で人気のある車種か、万人受けしやすいカラーかといった要素も判断材料になります。
車の状態や中古車市場での需要以外でマイナス要素となることはなく、車検証の住所変更をしていなくても査定額への影響はないので安心してください。
車の売却前に急いで車検証の住所変更をしなくてもよい
車を売却する前に住所変更をしていないことに気づくと、急いで手続きをしなければいけないと思うかもしれません。しかし、売却すれば車の名義変更を行うので、車検証に記載されている所有者の氏名も住所も変わってしまいます。
そのため、売却時に必要な書類に、車検証記載の住所と現住所を紐づける書類を足すだけで問題ありません。
本来ならば、引っ越し後15日以内に住所変更を行わなければなりませんが、敢えて売却時に急いで住所変更の手続きはしなくても大丈夫です。
転居の回数によって車の売却時に必要な書類は違う
車検証記載の住所と現住所が異なる際に別途必要となる書類は、転居の回数によって違ってきます。
転居が1回の場合は、住民票を準備すれば問題ありません。
2回引っ越しをした場合は、住民票と住民票の除票を取得する必要があります。
3回もしくはそれ以上転居を繰り返している場合は、住民票や住民票の除票で住所を追うのが困難なので、住所の履歴が記載されている戸籍の附票が必要となります。
車の購入から売却まで、転居が1回で車検証の住所変更をしていない場合は住民票が必要です。
住民票には転出と転入の情報が記載されているので、現住所と一つ前の住所が両方記載されています。そのため、一つ前の住所が車検証記載の住所であり、そこから転居して現住所に移ったということが一目で分かります。
住民票は居住地を管轄する市区町村の役所で取得することが可能です。ただし、役所は平日の夕方までしか窓口が開いていないので不便に感じる方もいるかもしれません。
地域によってはマイナンバーカードがあれば、コンビニの発券機でも交付が可能です。コンビニなら時間や曜日に関係なく、いつでも手続きできるので便利です。
発行には手数料として数百円かかります。
転居回数が2回の場合、住民票には一つ前の住所しか記載されないのでその一つ前の住所と結び付きません。その場合、住民票の除票を取得すると良いでしょう。
住民票の除票とは、一つ前の住所から転居する際に、削除されたもう一つ前の住所の住民票のことです。
現住所の住民票と住民票の除票を取得することで、現住所と2つ前までの車検証記載の住所が紐付けられるのです。
住民票の除票は、現地の役所で取得しなければならないので、遠方だとなかなか行けないという方もいるでしょう。送料はかかりますが、郵送でも請求できるので利用してみましょう。
引っ越して住所が複数回変わった場合、その都度色々な地域の役所へ住民票の除票を請求し続けるのは、手間も費用もかかります。その場合、戸籍の附票を取得すると効率的です。
戸籍の附票とは、住所の履歴が記載された書類です。本籍地が変わっていなければ、引っ越してからこれまでの住所が全て記載されています。
本籍地を変更した場合は、変更以前の住所は記載されないので気を付けましょう。
戸籍の附票も、郵送で申請することができます。遠方で直接役所に手続きをしに行けないという方は、郵送を利用するのがおすすめです。
戸籍の附票の保存期限はこれまで5年間でしたが、令和元年6月20日から150年間に変わりました。長期間になりましたが、保存期間が過ぎているものは取得できないので注意しましょう。
もし取得できなければ、理由書をつければ良いので買取業者に相談してみてください。
転居時に住所変更をしないと車の売却以外でもデメリットが多い
引っ越して車検証の住所変更手続きをしておらず、車検証記載の住所と現住所が異なる場合、車の売却で住民票といった余分な書類が必要となり、手続きが面倒です。その他にも様々なデメリットがあるので見ていきます。
まず、自動車税の納付書は車検証記載の住所地に郵送されるので、住所変更をしていないと届きません。結果的に納付し忘れて、滞納し遅延金を支払うことになってしまうでしょう。
そうならないためには、自動車税を管轄している都道府県税事務所に、納付書の送付先を変更してもらってください。
また、住所変更をしていないと、自動車保険の補償が受けられない可能性もあります。
車検証の住所変更は法律で規定されているので、変更していないと罰則を科せられるリスクもあります。
自動車税(種別割)や軽自動車税は、毎年4月1日時点での車の所有者に課税されます。所有者の住所地に5月頃納付書が郵送され、コンビニや金融機関などでの現金払い、クレジットカード払いなどで納めなければなりません。
車の所有者の住所地というのは、車検証に記載してある住所になります。もし引っ越しをして車検証の住所変更を怠っていると、納付書は前の住所に郵送されてしまい、手元に届きません。
自動車税の納付を忘れると、遅延金が知らないうちに発生するだけでなく、最悪の場合は財産を差し押さえられます。
転居の際は、郵便局に転居届を出しているので安心している方もいるでしょう。しかし、郵便局の郵便物転送サービスは1年間と期間が決まっています。2年目からは前の住所に全ての郵便物が配達されてしまいます。
自動車税の納付忘れがないように、きちんと車検証の住所変更をやっておいてください。
公道を走行する車は全て、自賠責保険に加入しなければならないと法律で規定されています。
自賠責保険は交通事故が起きた際に、被害者が受けた損害を補償するための保険です。
自賠責保険は車を識別する車体番号で管理されているため、住所変更を忘れていても保険金が下りないということはないでしょう。しかし、契約内容に変更が生じたら、報告しなければならない通知義務があります。
そのため、住所変更をしていなかった場合、通知義務違反ということで自賠責保険が適用されない、もしくは適用までに時間を要する場合もあるかもしれません。
また、自賠責保険には有効期限があり、車検時に更新されます。中古車を購入した場合などに車検と自賠責保険の有効期限がズレていた場合は、更新の通知が届かずに、期限切れを起こしてしまうリスクもあります。
期限が切れてしまうと、交通事故を起こしても自賠責保険の保険金は下りません。トラブルを防ぐためにも、住所変更はしておきましょう。
引っ越しから15日以内に車検証の住所変更を行わなければなりません。これは道路運送車両法で規定されています。
そのため、車検証の住所変更を期限内に行わなかった場合、法律違反ということになり、500,000円以下の罰金という罰則があります。
実際に取り締まりにあい、処罰されるという可能性はさほど高くないのが現状です。しかし、そもそも法律で決まっていることなので、きちんと守る必要があります。
車検証の住所変更の手続きの流れ
車検証の住所変更手続きの流れを知っておきましょう。
- 必要な書類(本人確認書類、住民票、車庫証明)を持参し、普通車の場合は管轄の運輸支局へ、軽自動車は軽自動車協会へ出向きます。
- 受付で手数料納付書や申請書を受け取り、必要事項を記入します。
- 印紙販売窓口で手数料分の収入印紙を購入し、手数料納付書に貼付します。
- 必要書類を提出します。
- しばらく待つと新しい車検証が交付されるので受け取ります。
- 運輸支局内の自動車税事務所などの税申告窓口で、自動車税の申告書と車検証を提出して、納付書が現住所の郵送されるように手続きします。
- ナンバー変更を伴う場合は、ナンバー返却口にナンバープレートを返却し、新しいナンバープレートを購入します。
- 取り付けたナンバーと車検証に記載の登録番号が同一だと確認できれば、封印をしてもらいます。
車検証の住所変更手続きをする運輸支局や軽自動車検査協会は、平日しか受付していません。土日祝日、年末年始などは休みなので平日仕事で休みが取れない方だと手続きに行くのは難しいでしょう。
そのような場合は、手続きの代行を依頼することができます。依頼先はディーラーなどの自動車販売店、整備工場や行政書士などです。
代行手数料は依頼先にも寄りますが、10,000~20,000円程かかる場合もあります。やや割高ですが、面倒な手続きをやってもらえるので便利です。
住所変更手続きに必要な物
車検証の住所変更手続きは、普通車と軽自動車で必要な書類が異なるので注意しましょう。
車検証と住民票などの新住所が証明できるもの、新しい住所で取得した車庫証明書が必要です。
住民票は、発行日から3ヶ月以内のもので、車を売却する際と同様に車検証記載の住所と現住所が連続してつながっていることがわかるものでなければなりません。つまり、複数回引っ越しをしている場合は戸籍の附票などが必要となります。
車庫証明書は、発行から1ヶ月以内のものです。
手数料納付書と申請書、自動車税申告書は運輸支局の窓口に準備してあります。
車検証と住民票または印鑑登録証明書が必要です。
申請書や軽自動車税申告書は、軽自動車検査協会の窓口に準備してあります。
車検証以外にも転居後に住所変更手続きが必要な書類がある
引っ越しをして住所が変わったら、車検証の他にも車関係で住所変更手続きが必要な書類があります。それは「運転免許証」「車庫証明書」「自動車保険」です。
早めに手続きを済まさないと不都合が生じるものもあるので、気を付けましょう。
運転免許証は、車の運転時に携帯していなければならず身分証明書の一つでもあります。
手続きの期限は特に法律など決められていませんが、記載事項に変更が生じたら早めに変更しておかなければなりません。
もし住所変更をしていないと、運転免許証の更新手続きの案内通知が届かず、知らないうちに免許が失効してしまう可能性もあります。
住所変更は、新住所を管轄する警察署の交通課窓口や運転免許更新センターなどで行えます。
手数料はかからず、必要なものは運転免許証と新しい住所が確認できる公的な書類だけです。例えば、住民票の写しやマイナンバーカード、健康保険証などが当てはまります。
車庫証明書は、車の保管場所を証明する書類です。
引っ越しをして住所が変更となり、それに伴って車の保管場所が変われば、新たに取得し直す必要があります。
新住所を管轄する警察署の交通課窓口で申請手続きを行います。
軽自動車は基本的に車庫証明は不要です。ただし、各都道府県の県庁所在地や人口100,000人以上の市町村、都市部から30㎞圏内の市町村は必要となるので新たな住所地が該当するか確認が必要です。
また、村に居住する場合も車庫証明が不要となる地域があるので、確認しておきましょう。
車庫証明は取得までに数日かかるので、余裕をもって手続きすることをおすすめします。
自動車保険には、法律で加入が義務付けられている「自賠責保険」と、加入が自由な「任意保険」があります。どちらも転居したら住所変更の手続きが必要です。
もし住所変更していないと、万一事故が起きた場合に対応が遅れたり、レッカーの手配などで手間がかかったりとデメリットが生じる場合があります。
契約者が保険会社に連絡をして、住所変更の旨を伝えましょう。ネットでも住所変更の手続きができる場合もあるので、加入先の保険会社に確認してみてください。
まとめ
