ディーラーに車を下取りで出すより、車買取業者に売却したいと考えている方もいるでしょう。
実際、中古車市場の需要などを加味しながら査定を行う車買取業者は、ディーラーで下取りしてもらうより、査定額が高くなる傾向があります。
しかし、いざ買取業者に買い取ってもらおうと思った時、どのような費用が手数料としてかかるのか分からないことも多いかもしれません。内訳に記載されていれば、見逃してしまう可能性もあります。
今回は、買取業者に車を売却する際、費用や手数料はどういったものがあるのかを詳しく解説していきます。査定する際に役立ててください。
車の売却で手数料は必要になるのか
車売却の際に手数料が発生するのかどうか気になるという方も多いでしょう。
基本的に車を売却する際は手数料がかかります。しかし、車買取業者のサービスを受けるか受けないかによっても手数料の金額が変動します。
そのため、車買取業者によっては手数料を細かく設定することをせずに、買取金額を含めて査定金額を提示することもあります。その方が、売却する方にとっても明確で分かりやすく、売却してくれる可能性も高くなるからです。
一般的に車買取業者は、車を買い取った後、中古車市場で再販売することで利益を得ています。買取額より販売価格が高くなれば、その分収益にも繋がります。したがって、人気のある車種については、買い取りたいのが本音です。
それでは、実際にかかる費用や手数料について、どのような項目があるのかを解説していきます。
車の売却にかかる費用や手数料は10項目ある
車を車買取業者に依頼する際、売却するには手続き上、様々な費用がかかります。
あらかじめ手数料等が引かれている状態で査定額が提示されますが、売却するにあたり何の項目費用がかかっているかを知っておくことは大切です。
車の売却にかかる費用や手数料は10項目あります。
細かい点ではありますが、不明確な費用を請求されていないかどうか、知ることも大事です。自分の車が少しでも明朗に売却することができるようにしておくと良いでしょう。
かかる費用や項目について詳しく解説していきます。
1つ目は、査定料です。
大手の車買取業者は、査定料は無料で行っていることが多いです。しかし、年数・走行距離・車種である程度の概算は出せたとしても、実際は査定士が現物の車の状況を確認した上で、査定金額を提示します。
その際、自宅に来るまでの費用等も支払う可能性もあります。つまり、査定をする時にかかる手数料が査定料です。
ケースとしては以下の通りとなります。
- 査定料を計上する
- 契約しなかった場合に査定料を請求される
- 出張審査が無料であっても、出張料は無料で査定料は請求される
車買取業者は査定料を無料で行っている理由はなぜでしょう?これは、車を買い取らなければ再販売もできないため、その費用を自社で負担するようにしているからです。
実際、買取額よりも再販売額で査定料が補えれば、売却する方から請求をしなくても良いことになります。
査定の見積もりを出す時には、事前に業者に確認して査定料がかかるか聞いておくことをおすすめします。
2つ目は、名義変更手数料です。車を売却するためには、必ず所有者の名義を変更することが必要です。
名義変更については、運輸支局で行い、移転登録手数料として500円かかります。その際は、譲渡証明書に実印の押印をします。
負担する金額としてはあまり高くはありませんが、個人で手続きをするためには管轄の運輸支局に出向かなければならないのがネックです。
その点、車買取業者に代行してもらうことで、面倒な手続きは不要になります。したがって、車買取業者の人件費や交通費、書類作成を含めた代行料が発生します。
また、軽自動車を売却する時は、名義変更ができるのは軽自動車検査協会の窓口です。軽自動車は普通自動車とは異なり、名義変更は自動車検査証記載事項の変更になり手数料は無料になります。
しかし、車買取業者に手続きを行ってもらう時には、普通自動車と同様に代行料がかかるかもしれません。
3つ目は印紙代です。名義変更をする際、車の移転登録をするために必要です。
印紙代は、法的手続きをする際には必須となり、例えば車検の時にもかかります。
査定をした時に見積書に記載されているはずですので、確認してみてください。車体の大きさによっても負担する印紙代は変わってきます。
印紙代は、基本的に車を売却した方が負担することになります。また、印紙は車買取業者が事前に準備していているため、実費請求されることもあります。
4つ目は、印鑑証明書です。
印鑑証明書の発行は、各市町村役場で取得することになります。費用は各自治体にもよりますが、200円〜400円程度発行手数料がかかります。
印鑑証明書は、車買取業者によっても異なりますが、車を譲渡する時に「2通」印鑑証明書が必要な時もありますので、事前に確認しておきましょう。
印鑑証明書は自分で準備することになりますので、そのぶん個人負担として費用はかかります。
普通自動車を買い取りする際は印鑑証明書は必須になりますので、売却したい1か月~2か月前から用意しておくと、査定後のスムーズな手続きに繋がります。
ちなみに軽自動車の売却の場合、印鑑証明書は必要ありません。
一般的に、車の各種手続きする際に使う印鑑証明書の有効期限は、発行後「3か月以内」に設定されていることが多いので、有効期限にも気を付けてください。
5つ目は、住民票です。住民票は、車を売却する際に必ず必要なものではありません。
住民票が必要な時は、車検証と印鑑証明書の住所が異なっている場合です。一致している時には、印鑑証明書だけで良いことになっています。
住民票も印鑑証明書と同様、市町村役場で取得します。費用は200円〜400円程です。
車を売却する前に用意しておくと手間が省けますので、住所変更が必要な時には準備しておきましょう。
6つ目は、ナンバープレートの交付費用です。
車の名義変更する際には、新旧の所有者の管轄が異なっている時にナンパープレートの交付を受ける必要があります。
費用については地域差がありますが、1,500円~2,000円程度です。同管轄内であると手数料がかからない場合もあります。
ちなみに、個人で字光式ナンバーに変更する時には、以下の書類を用意すれば手続きができます。
- 車検証
- 字光式自動車登録番号標交付願
- 申請書(OCRシート第3号様式)
- 手数料納付書
- 自動車税申告書
- 住所変更がある場合は住民票と車庫証明書
現在は希望ナンバーや図柄入りナンバーにも変更できるようになりました。
事前にインターネットで申請を行ってから、7~10日程度で交付されます。即日では交付されないので、運輸支局に出かける日を確認した上で手続きをすると良いでしょう。
7つ目は、レッカー費用です。
車を売却すると、車買取業者が車を引き取りに来ます。その時、車を輸送する費用や引取料がかかります。
近隣の買取業者であればそのまま売却した車に乗って運ぶこともあるので、費用はそれほどかかりません。しかし、輸送が長距離だったり車検切れや不動車になったりしている場合は、車を積載して輸送することが必須になりますので別途金額を請求されることもあります。
通常、レッカー車に依頼をして車を輸送すると、業者や輸送距離によっても異なりますが、10,000円~30,000円程度かかることが多いです。
もし、車検が切れている状態であれば、レッカー車で移動させることはできません。車検切れの車は公道を走行することが禁止されているからです。
レッカー車は前輪か後輪のどちらかを道路上で転がす方法で輸送することになってしまうので、無車検運行として道路運送車両法違反になり、違反点数6点、少なくとも30日間の免許停止になりますので注意しましょう。
8つ目は、車売却費用です。
これは、車買取業者によっても取り扱い方が異なる部分です。そのため、内訳がどのようになっているか確認すると良いでしょう。
例えば、車の引取手数料だったり、車の再利用にかかる費用だったりで計上されることもあります。
金額も業者によって一律ではないので、もし請求された場合は内訳について聞いてみることをおすすめします。
9つ目は、ローン残債です。
これは、車をローンで購入している場合に気を付けるべきことです。なぜなら、ローンの残高がある車は、所有者の名義がディーラーや信販会社になっているので、許可なしに売却ができないこととなっています。
車検証を見た時、所有者がディーラー等になり、使用者が自分の名義になっているのを見たことがあるかもしれません。
そういった場合は勝手に売却ができないため、売却するためにはローンの残債を一括返済してから所有権解除を行う必要があります。
現状として、車の査定額がローン残債を上回っていれば、それを利用して残債分を支払うことで売却はできます。
しかし、査定額がローンの残債より下回れば、売却時にローン残債を支払わなければなりません。査定額でローン残債が一括で支払えない時は、買取業者のローンを利用する方法もあります。
業者によってローンを再度組み直すなど、対応してもらえるメリットもありますが、利率が従来に比べて高くなる傾向があります。そのような時には、業者と相談しながら決定すると良いでしょう。
最後は、自動車税です。
車を売却する際には、自動車税を全て納付していることが条件になります。もし、支払っていない状態であれば、納付をしておいてください。
自動車税が未払いの場合には、次に車を所有する方が車検を受けられない状態になったり、滞納分の支払いが次の所有者に請求されたりする可能性があります。
自動車税を支払っていない状態は、車を売却できないこととなっています。自分の所有している車で税金は納められているか、確認しておくと良いでしょう。
税金関係で注意すべき2つのこと
車を売却する時にかかる費用や手数料について、解説してきました。
項目は多いですがそれほど大きな金額ではないため、車買取業者が法外な金額を提示してこないのであれば、気にすることはあまりないかもしれません。
細かい費用については、売却する時に事前に用意しておく、印鑑証明書や住民票は自己負担になる可能性はあります。その他は、業者から聞いておくことが大事です。
しかし、税金関係については、売却する際に注意が必要です。それでは、どのようなことに気を付けておけばいいのか、2つのことについて詳しく解説していきます。
1つ目の注意点は、自動車税と売却時期です。
自動車税は、毎年4月1日時点で車を所有している名義人に納付を依頼するものです。
自動車税の納付書は、毎年4月~5月にかけて送られてきます。そのため、3月下旬に売却をする時には、名義変更が間に合わず、課税されることも考えられます。
その場合は一旦、自分で自動車税を支払うことになるかもしれません。
しかし、自動車税の納付に関しては車買取業者も理解しているので、早めに手続きをしてくれたり立て替えを行ったりして、売却する方に負担をかけないように対処してくれる業者もあります。
普通自動車の場合は、自動車税を納入しても廃車手続き(抹消登録)することで還付されるので、そのような対応になるのでしょう。
但し、軽自動車税については、還付がないため気を付けてください。特に3月~4月にかけて車の売却を検討している時は、業者がどのように対応してくれるか、事前に確認をしておくことがポイントです。
それほど多くはありませんが、所有している車の年数が経っていない状態であったり、希少価値の高い車種である時は、売却金額が購入金額を上回ったりすることもあります。
普段の生活に必要でない車は、課税対象です。具体的には、以下の車をお持ちの方が対象となります。
- キャンピングカーなどの娯楽レジャー用車
- 希少価値の高い車や高級車で購入価格より売却価格が高い車
- 事業用車
ちなみに事業用車の定義は、月15日以上業務に使用する車のことです。仕事で使用している社用車は、この定義にあたり対象となります。
家庭で通勤通学などに利用している車は当てはまりません。用途と発生した売却益の金額によっては、所得税として計上する必要があります。
特別控除額「500,000円」を差し引いても売却益がある時は、譲渡所得として所得税を支払わなければいけません。こちらは、確定申告時に支払うことになりますので、納税資金は事前に準備をしておくことが大事です。
査定価格は、年数が経過したり走行距離が多くなったりするにつれて、価値が下がっていきます。一般的な車については、購入金額より売却金額が上回ることは稀です。したがって、このようなケースがあることだけは理解しておきましょう。
手数料は査定額から引かれることが多い
手数料は項目こそ多いですが、別途支払いをしなければならないことは少なく、車買取業者が提示する査定額から差し引かれることが多いです。
実際のところ、ナンバープレートの交換費用や移転登録手数料など、売却に必要な費用はかかってきます。それをまとめて代行料として提示してくることもあるでしょう。
しかし、業者によって、手数料や代行料なしで買い取る業者もあります。なぜなら車を買って中古車として販売する業者としては、売ってもらえないと販売もできず、利益が出せないからです。
売却する立場としては、少しでも高い金額で買い取って欲しいと考えます。そのためにも、手数料等を抑えることで車買取業者は買い取ってもらえるようになります。
1つの業者に依頼するのではなく、複数の業者に見積もりを依頼することで、車を高く買い取ってもらえる可能性も増えます。
また、先程からお伝えしている手数料の項目が、どのように対処されているかを問い合わせの中で聞いておきましょう。事前に話しておくことで、後々トラブルになることもなく、スムーズに売却処理を行うことができます。
車買取業者を上手く活用して、納得いく車の売却をしてください。