車の売却についての疑問

法人名義の車は個人と売却方法が違う?必要な書類も紹介

保有している法人名義の車を売却したいと考えている会社もあるのではないでしょうか。

「法人名義」と「個人名義」の売却方法では、いくつか違いがあります。

今回は法人名義の車を売却する方法や、その際に必要な書類を紹介しますので、売却時の参考にしてみてくださいね。

法人名義の車を売却することはできる?

法人名義の車を売却することはできる?
法人名義の車でも、売却することは可能です。

基本的に会社で使う車は多くの場合、法人名義で会社が購入するため、法人所有の財産となっています。

続いては、個人名義の車とどんな違いがあるのかを確認しておきましょう。

個人名義の車との違いは「必要書類」と「税金」

法人名義の車も、個人名義の車も、売却方法に大きな違いはありません。ただし、売却時の手続きで必要となる書類に違いがあります。

法人名義の場合は、主に法人に関する書類を用意する必要があります。

さらに、法人名義の車は資産ではなく経費となるため、会計処理が必要となります。売却して利益が出たときには、利益に対して法人税が発生し、売却して損失が出たときには、損失分を本業の利益から差し引く必要があります。

また、免税事業者でないならば、車の売却金額に対して消費税も発生します。

法人名義の車を売却するときに必要となる書類

法人名義の車の売却手続きは難しくありませんが、いくつか書類を用意しないとなりません。ひとつでも書類が不足すると、車を売却できないため注意しましょう。

必要となる書類は、基本は個人で車を売却するときと同じですが、その他に法人関係の印鑑や履歴事項全部証明書などが必要となります。

続いては、法人名義の車を売却するときに必要となる書類を紹介します。

自動車検査証(車検証)

自動車検査証(車検証)
自動車車検証(以下:車検証)は、車購入時や車検時に発行されるもので、車が保安基準を満たしていることを証明するための書類です。

車検を行った車に関する所有者名、車体番号、住所などの情報が記載されています。

車検証には、所有者と使用者の欄のあるAタイプ、所有者の欄のみのBタイプの2種類があるのが特徴です。

車検証は道路運送車両法によって、車を運転するときにはその車に積んでおかなければならないと決められているため、多くの人はダッシュボードに保管しています。

万が一紛失した場合は、管轄の運輸支局で再発行が可能です。しかし法人印や本人確認書類、理由書などが必要となるので注意しましょう。

自賠責保険証明書

自賠責保険証明書は、車が自賠責保険に加入していることを証明するための書類です。

自賠責保険とは、車の所有者が加入しないとならない強制加入の保険で、対人のみ補償範囲となっており対物や運転者は補償範囲外となっています。

この保険の保険期間が、有効車検期間をカバーしないと、車検証の交付は受けることができません。

車検証同様に携帯することが義務付けられているので、ダッシュボードに入れている人がほとんどでしょう。

もし見つからない場合は、加入した保険会社に相談してください。法人印と本人確認書類があれば、無料で再発行してもらえます。

法人実印

法人実印
法人名義の車の売却では、登記時に法務局に届け出ている法人実印(代表者印)も必要です。

法人実印は代表印であり、法人登記するときに使った印鑑のことです。「会社実印」や「丸印」と呼ばれることもあります。

契約などの大切な場面で使用する非常に大事な印鑑なので、紛失しないように保管しておくのが一般的です。

それでも紛失してしまった場合には、改印届が必要となります。改印届書の用紙は、各法務局や法務局のホームページから入手できます。

入手後は必要事項を記入して、新たに届ける印鑑、代表者個人の印鑑登録証明書とあわせて提出してください。

法人実印の印鑑証明書

印鑑証明書は、法人実印が正式な会社の印鑑であることを証明するための書類です。

法人実印と一緒に提出しなければならない書類であり、なおかつ3か月以内に発行された印鑑証明書でなければならないと決められています。

3か月以内に発行された印鑑証明書がない場合は、法務局の窓口で発行を申請しておきましょう。売却時に提出するのは1枚だけなので、1枚だけの発行で問題ありません。

ただし、他の手続きで提出を求められる可能性があるので、あらかじめ2枚用意しておくと、もう一度申請する手間を省くことができるのでおすすめです。

自動車税納税証明書

自動車税納税証明書
車を所有していると自動車税が発生しますが、その自動車税を納付したことを証明するための書類のことを自動車税納付証明書といいます。

自動車税は毎年4月1日に納税義務が発生する税金で、毎年5月に納税書が届き、その月以内に納付しなければいけません。支払いが済んだ時点で、自動車税納税証明書が発行されます。

もしも紛失してしまったときには、再発行の申請をしましょう。普通自動車の場合は、都道府県税事務所や自動車税事務所で、軽自動車の場合は市区役所や町村役場で再発行できます。

一部地域では、自動車税の納付状況の電子化が進んでいるので、納税されている場合のみ、提示の省略が可能です。

リサイクル券

リサイクル券とは、新車購入時に自動車ディーラーなどから発行される券です。リサイクル料金の預託を行ったことを証明できます。

こちらも紛失しないように保管しておきましょう。

原則、再発行はできません。万が一リサイクル券を紛失してしまったときは、自動車リサイクルシステムのサイトで、リサイクル券の代わりになる情報を印刷できます。

譲渡証明書

譲渡証明書は、車を旧所有者から新所有者に譲渡したことを証明するための書類です。車売却後に、運輸支局で名義変更するときに必要となります。

車を売却する業者側が用意してくれるものなので、事前に自分で取得しておく必要はありません。手続き時に、社名や形式、車体番号、旧所有者名、新所有者名などを記入するだけとなっています。

履歴事項全部証明書

履歴事項全部証明書
履歴事項全部証明書とは、法務局に登録された会社の登記情報を証明するための書類です。

会社名、本店所在地、設立年月日、資本金、役員情報、目的などが記載されています。また、変更履歴や過去の役員情報など、今までの会社の情報が全て記されている書類です。

車検証の情報と比較して、現在の社名や住所に変更がある場合に必要となりますが、車検証の内容と同じであれば用意する必要はありません。

履歴事項全部証明書は、会社の本店住所を管轄する法務局だけでなく、全国にあるどの法務局でも取得できます。法務局には交付申請書があるので、必要事項を記入して提出して、履歴事項全部証明書を取得しましょう。

委任状

委任状とは、運輸支局で行う名義変更の手続きを業者に依頼するための書類です。

委任状自体は業者側が用意してくれるので、車の所有者が用意する必要はありません。もしも委任状を求められた場合は、国土交通省などのホームページから印刷して準備しましょう。

この委任状には、受任者の情報と委任者の情報、自動車登録番号や車体番号、受任者を代理人とする旨などを記載します。

必要事項が漏れていると車の名義変更を行えないため、記入漏れに注意してください。書類の内容に間違いなどがなければ、法人実印を押印して完成させましょう。

法人名義の車を売却したあとの会計処理

法人名義の車を売却したあとの会計処理
個人が車を売却するのとは違い、法人名義の車を売却したあとは会計処理を行わないとなりません。記入方法や計算を間違うと、あとでトラブルになってしまう可能性があります。

売却後の仕分けの考え方は難しくありません。ルールに当てはめて金額を記入していきましょう。

法人名義の車は利益の有無によって「固定資産売却益」と「固定資産売却損益」のどちらかになります。

続いては、どんな処理を行う必要があるのかを確認していきましょう。

減価償却を考慮して計上する

法人ではお金の出入りは、全て決済報告しないといけません。

車は会計処理上では、固定資産扱いとなります。長年使うものは、その年に全額を経費にせずに、購入費用を数年かけて経費に計上する減価償却という方法が一般的。

法人の減価償却の期間は、以下の通りです。

  • 新車の普通自動車:6年
  • 新車の軽自動車:4年
  • 中古車の法定耐用年数が終わっている車:法定耐用年数×0.2
  • 中古車の法定耐用年数が残っている車:法定耐用年‐経過年数×0.2

法定耐用年数が超えた車を購入した場合、法定耐用年数に0.2をかけた期間が償却に使える期間です。

例えば6年を過ぎた普通自動車は、6年である72か月×0.2で14.4か月が償却に使える期間となります。

一方4年を過ぎた軽自動車は、普通自動車と同じように計算すると9.6か月ということになるのです。

減価償却できる範囲

車両運搬具として会計に記載するときは、減価償却費も考える必要があります。それは車には耐用年数があるので、年数とともに資産価値が落ちてしまうからです。

減価償却の基準は購入時の取得費用であり、全ての固定資産が減価償却できるものではありません。一定期間使用していき、価値が減少する固定資産のみ、減価償却にすることができます。

減価償却できる資産を「償却資産」、できない資産を「非償却資産」といいます。

減価償却できる資産は建物や器具、備品、ソフトウェア、車両など。車ならば、車体本体価格、カーナビやETCなどのオプション費用、納車費用など。

法人名義の車は、これらの費用をもとにして最長6年かけて費用計上します。

利益が出た場合は法人税がかかる

普通自動車の減価償却期間は、6年と設定されています。しかし、6年乗った普通自動車の価値は0円ではなく、数十万円の価値があることが多いので、売却するときも数十万円の値がつくでしょう。

数十万円で売ることができれば、会計上では価値がないものは売れたことになるので、売却益が発生します。

売却益は利益として考えられるので、法人税が課せられてしまうでしょう。そのため、減価償却の仕組み、売却益が出たときの処理について、しっかりと理解しておくことが大切です。

実は法人名義の車に多い!リース契約

実は法人名義の車に多い!リース契約
車を新車で購入するとなれば、1台買うだけでも100万円単位の費用がかかってしまいます。そのため、法人名義の車は高額な購入費用を少しでも抑えるためにリース契約で使用する会社も多いようです。

車のリース契約とは、一体どういう内容の契約のことをいうのでしょうか。

続いては、リース契約について詳しく解説していきます。また、もし売却を考えている車がリース契約だった場合、どうするべきなのかも確認しておきましょう。

車のリース契約とは?

リースとは、サブスクリプションサービスであり、月々定額で利用できるサービスです。契約期間を決めて契約します。

車のリースであれば、月々の料金に車両本体代金はもちろん、保険料なども含まれます。車に関する費用を一本化して契約できるため、ディーラーや保険会社などと、複数の会社に支払いをする必要がありません。

月々定額で利用できるのは、リース契約の大きな特徴です。

車の購入には、車両本体価格の他に自賠責保険、税金、メンテナンス費用などが発生しますが、リースの月額料金にはこれらが含まれます。

レンタカーとは違い、24時間いつでも好きなときに運転できるのもメリットです。

ただし、リース契約では契約者は所有権は保有できず、使用権のみを保有します。

リース契約の車は売却できる?

リース車両は契約者のものではなく、リース契約を行った会社のものです。前述した通りリースとは、契約した期間のみ車をレンタルできるサービスです。

リース契約者は使用権を得て、車を使用しています。車の所有権はリース会社が保有しているものなので、勝手に売却することはできません。

ただし、いくつかの条件を満たしていれば、売却ができる可能性もあります。それは、契約書にリース期間終了後の所有者移転条項があったり、リース料と車両本体価格の支払いが終わっていたりする場合です。

とはいえ所有権はリース会社にあるので、必ずリース会社に相談してから売却するようにしましょう。

途中売却をしたら違約金は発生する?

リース会社は契約期間が満了することで、利益が出せる仕組みとなっています。リース期間中に車を売却されてしまうと車両本体価格などを回収できないので、損をしてしまうのです。

リース契約では、これらの損失を避けるためにも、「途中売却を行う際は違約金(解約金)が発生する」といった規約があることも少なくありません。

リース契約をしている車を売却したいという場合には、違約金(解約金)が発生しないか、一度契約書を確認したほうがよいでしょう。

法人名義の車を売却する前に知っておくべきポイント

法人名義の車を売却する前に知っておくべきポイント
法人名義の車を売却するとなれば、スムーズに売却できるのか、査定額はいくらになるのかなど、知りたい部分は多いでしょう。

ただし、法人車は個人の車と比べると少し特殊なので、なかには買取価格が下がってしまうことも少なくありません。

続いては、法人名義の車を売却する前に役に立つ情報をいくつか紹介します。

法人名義だからといって買取価格が安いわけでない

法人名義の車は、営業車などと毎日長時間使用する車が多く、走行距離が長くなりやすいのが特徴です。そのため、個人名義の車よりも買取価格が下がってしまうと考えている方も少なくありません。

走行距離が極端に長すぎたり、車に傷やへこみなどがあったりすれば査定額に影響しますが、法人名義という理由でマイナス査定になるということはありません。

例えば、車両状態があまりよくない法人名義の車でも、荷物を多く積むことのできるバンなどは海外などで需要があるため、高値で売りやすいといわれています。

ただし、バンなどの車でも、年式の古い車や外装の傷が多い、内装の傷や汚れが目立つなど、一般的なマイナス査定項目があれば、査定額は下がってしまいます。

車に社名やロゴが入っている場合

車道を走っている車や会社の駐車場に停められている車で、会社名やロゴが入った車を見かけたことはないでしょうか?

基本的に法人名義で使われている車には、ドアのあたりに会社名やロゴが入っていることがほとんどです。

これらの車は売却すること自体は可能ですが、日本では価値は下がってしまう可能性が高いといわれています。

ただし海外では、会社名やロゴが入っていても問題なく売ることが可能です。海外に販売ルートを持っている業者なら、日本で売るよりは少しは高く査定してもらえる可能性があるので、探してみるとよいでしょう。

特殊なカラーの車両は注意が必要

法人名義の車には、会社やロゴをイメージしたカラーなどの特殊カラーで塗装した車も多くなっています。

特殊カラーの車は、売却時には大きくマイナス査定になってしまうので注意が必要です。

一般財団法人日本自動車査定協会が公開している査定基準によると、元色以外の色で塗装した車は250点の減点となります。

また、特殊カラーで塗装を行うと、メーカーの指定色での塗装に比べて塗装の耐久性が下がってしまいます。この耐久性の低下も、査定額を下げる要因のひとつです。

まとめ

法人名義の車であっても、売却することは可能です。

売却方法は個人名義の車を売るときと同じですが、売却手続きで必要となる書類が異なります。法人実印と印鑑証明書が必要であり、車検証と会社住所などが違うならば、履歴事項全部証明書も用意しなければなりません。

必要書類を用意すれば、そのまま売却手続きを進められますので、業者に査定してもらい、査定額に納得したら売却手続きを進めていきます。

ここで車を売却したときに利益が発生すれば、売却益に対して法人税が課税される他、売却費用に対する消費税も支払わなければならないことも覚えておきましょう。

リースで使用している法人名義の車であれば、リース期間が残っている間は勝手に売却はできません。売却したいのであれば、リース会社から車を買い取ってから行うようにしてください。

また法人名義の車で、会社名やロゴの入っている場合は、査定額が下がりやすいという特徴があります。

法人名義の車を売却する際は、今回紹介した内容に注意して売却を行いましょう。

※本記事は公開時点の情報のため最新と異なる場合があります。
カータル編集部
カータル編集部
この記事は中古車の売却、査定などについての知識が豊富な私たちが執筆しています。車を少しでも高く売るコツや必要な書類、手続きに関する疑問や質問にお答えしています。

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