車の売却についての疑問

車の売却で円滑に手続きを進めるための注意点

車の売却は、人生でそう頻繁にあることではありませんし、本や服を売る場合とは違って売却金額も大きいため、いったい何に注意すればよいのか迷うことがあるでしょう。

この記事は、車を売却するための大まかな手続きは分かっているが、細かい注意点も知っておきたいと思っている方に、手続きの注意点を紹介します。

忙しい毎日でもポイントを押さえておけば、円滑に車の売却を行うことができますので、参考にしてください。

車の売却手続きの注意点を知り、手続きを円滑に効率よく進めましょう

車の売却手続きの注意点を知り、手続きを円滑に効率よく進めましょう
車の売却。それは一つの大きなイベントといっても過言ではありません。

まずは、大まかに売却手続きの流れをおさらいしておきましょう。

売却の方法としては主に、「個人間での売買」「ディーラーでの下取り」「中古車買い取専門店での買い取り」の3種類があります。

以下は、中古車買取専門店に売却する場合の流れです。

①買い取ってもらう店を選ぶ

②査定してもらう

③買取契約手続きを行う

④車の引き渡し

⑤入金を確認する

手続きを進めるための注意点7項目

注意すべき点7項目
上記で説明した通り、車の売却手続きのだいたいの流れは理解できたかと思います。ただ、売却手続きの際に「注意すべき点」や「必要な書類」についても知っておくと安心です。

まずは前もって知っておきたい注意すべき点について7項目を下記で紹介します。

①事前に相場を確認する

売却する車の相場が今どれくらいなのかを必ず把握しておきましょう。

何も情報を持っていないと、業者の説明をそのまま鵜呑みにして安く車を売ってしまうことになりかねません。

買取業者で、価格の相場を公開しているWebサイトはたくさんあります。下記のような情報を入力して簡単に調べることができます。

  • 売りたい車のメーカー
  • 車種
  • 年式
  • グレード
  • 排気量
  • 車体色
  • 走行距離
  • 次の車検時期 など

時期によっては査定額が変動するので、その点も踏まえて参考にしてください。

「1月~3月」「8月~9月」はボーナスや会社の決算期と重なることが多く、車の需要が上がるため、その他の月よりも多少高く売れる可能性があります。

ただし、中古車は1日でも新しい方が高く売れる、それが基本であることも覚えておきましょう。

②家族に相談し同意をとっておく

家族も車を使っている場合には、売却の同意を得ておきましょう。

たとえ自分名義であり、維持も自分で行っていたとしても、何も話さずに事を進めてしまうとトラブルになる可能性があります。

もしかすると、家族が車を使って出かける計画を考えていることがあるかもしれません。また、売却はお金が絡むことであり、この手のトラブルはこじれやすいと言えます。

前もってきちんと相談をしておくことは大変重要です。

③自分に合った買取店を検討する

買取店を選ぶ際は口コミを参考にすることもできますが、自分に合ったお店はやはり自分の目で確認することが大切です。

また、売却する上で自分が何を重視しているかも考える必要があります。安心を求めるのであれば、マニュアルによって品質が管理されている大手の買取店が良い場合もありますし、価格交渉など柔軟な対応を求めるのであれば、個人店の方が良い場合もあります。

さらに、お店がどこにあるかも重要です。遠方や慣れない場所だと、一人で店舗に行くことが難しいと感じるかもしれません。

きちんと検討し、自分に合ったお店を選ぶようにしましょう。

④査定の前に車を綺麗にしておく

④査定の前に車を綺麗にしておく
査定の前に車の掃除や消臭を行い、マイナス評価を作らないようにしましょう。

あまりにもシートが汚れていたり、たばこやペットの臭いが染みついていたりすると交換が必要になる場合もあります。

ただし、隅から隅までピカピカにする必要はありません。ボディは簡単に洗車し、車内についてはゴミは処分し砂やホコリを取り除き、指紋や手あかなどの汚れもふき取ります。

晴れた日にドアと窓を全開にして換気することによって車に臭いを取ることができますが、取れない場合には無香の消臭スプレーを使うのもおすすめです。

エアコンを使わない時期であれば、エアコンの臭いも注意してください。

車がどれだけ綺麗かによって査定額が変わることはありませんが、査定士の印象に影響があることは否めません。普段から綺麗に使用することが重要です。

⑤傷や凹みは修理しない

傷や凹みは修理せず、そのままにしておきましょう。

査定金額をアップさせるために傷や凹みを修理したいと思うかもしれませんが、修理にはお金がかかるものです。

査定金額はアップしたとしても、比較すると修理金額の方が高くなってしまうためおすすめできません。

自分で修理すればお金がかからないと考える方もいるかもしれませんが、素人の作業と判断されればマイナス評価になりますので、業者に修理を頼む以上に意味のないことになってしまいます。

また、修理をすると事故車であることを隠していると思われる可能性もあります。できる限り車は現状のままにしておくのが良いでしょう。

⑥修理歴、修復歴、冠水歴を正確に報告する

⑥修理歴、修復歴、冠水歴を正確に報告する

修理歴とは?
自動車の修復歴ではない部分の修理や交換を行ったことを指します。
修復歴とは?
自動車の骨格(フレーム)部分の交換や修復を行ったことを指します。
冠水歴とは?
大雨・台風・洪水・津波・事故などの要因で水没してしまったことを指します。「冠水車」「水没車」「水害車」などと呼びます。

査定時、修復歴や冠水歴はマイナスポイントになるため申告したくないと思うかもしれませんが、正直に伝えましょう。

査定士が見抜き、かえって印象が悪くなる結果につながりかねません。

特に修復歴を隠していた場合、車の引き渡しの後で売却金額の減額を求められることがあります。修理歴や冠水歴を整理しておくと、業者も対応しやすくなり、後日のトラブルを防ぐことができます。

修理歴についてはケースバイケースですが減点になる場合があります。例えば、バンパーの補修など軽微な修理であればお咎めなしとなる可能性が極めて高いです。

⑦疑問や不明点はためらわずに確認する

後日のトラブルを防ぐために、査定や手続きで疑問に思ったことはすぐに確認してください。

その査定額となった理由もしっかり聞いておくことは、このお店に売却するかどうか判断する上での決め手になるかもしれません。

査定時のチェックポイントは大まかに下記となります。

  • 車の基本情報
  • 外装
  • 内装・エンジンルーム
  • 付属品

また、車を売却するとリサイクル預託金が返金されます。通常は査定金額に含まれていますので、査定時に内訳を確認しておきましょう。

必要書類を確認して揃えておく

必要書類を確認し揃えておく
円滑な売却のために、必要書類をあらかじめ準備しましょう。

普段あまり見る機会のない書類であり、再発行には日数がかかるものもあります。

車の中にあるものと思わずに、事前に余裕をもって確認しておくことが重要です。

下記の通り、必要書類は普通自動車と軽自動車で多少の違いがあります。

普通自動車
  • 自動車検査証(車検証)
  • 自賠責保険説明書
  • 自動車納税証明書
  • 実印
  • 印鑑登録証明書2通
  • リサイクル券
  • 譲渡証明書
  • 委任状
軽自動車
  • 自動車検査証
  • 自賠責保険証明書
  • 軽自動車納税証明書
  • 認印(シャチハタ不可)
  • リサイクル券
その他共通
  • 振込口座情報
  • (任意)メンテナンスノート
  • (住所や姓に変更がある場合)住民票、戸籍謄本、戸籍の附票
共通:自動車検査証(車検証)

共通:自動車検査証(車検証)
自動車車検証は、車検証ともいいます。一般的には車検証の方が、耳なじみがあるかもしれません。

車検証は、車が自動車保安基準に適合していることを証明する書類となります。

運転時に携帯することが義務付けられているため一般的には車内で保管されていますが、あるかどうかあらかじめ確認をしましょう。

共通:自賠責保険説明書

正式名は自動車損害賠償責任保険証明書となります。

自動車や軽自動車、バイク、原付の所有者は必ず加入することが必要な自賠責保険の証書です。

車検証と共に車内で保管されていることが多いです。

普通自動車:自動車納税証明書、軽自動車:軽自動車納税証明書

自動車税を納めたことを証明するものです。

毎年5月に自動車税納税通知書が届きますが、右端が納税証明書となっており、税金を納付し、領収日印が押されると証明書として利用できます。

支払いが終わったからといって、うっかり捨てないように注意しましょう。

普通自動車:印鑑登録証明書(2通)

普通自動車:印鑑登録証明書(2通)
印鑑登録証明書とは、実印を証明するための書類であり、実印と必ずセットで使います。

1通は名義変更、もう1通は自動車税の権利譲渡のために使用しますので、計2通必要となります。

また、印鑑登録証明書は発行後3ヶ月が有効期限となるため注意が必要です。

普通自動車:実印、軽自動車:認印・実印

普通自動車の場合には実印が必要ですが、軽自動車については実印ではなく認印でも問題ありません。

実印とは市区町村の役所に届け出をしている印のことです。それ以外の印が認印です。

実印として登録できる印鑑は、印影は8mmの正方形枠を超え、25mmの正方形枠に入るものとなります。

共通:リサイクル券

共通:リサイクル券
リサイクル券とは、車の所有者が廃車時にかかる費用(リサイクル料)を支払っていることを証明する書類です。2005年に施行された「自動車リサイクル法」で義務付けられました。

新車であれ中古車であれ、車を購入した際に支払っているはずです。気になる方は明細を確認してみましょう。

こちらもほとんどの場合には、車検証と共に車内で保管されています。

書類にはA~D券の4つがあります。

A券:預託証明書

リサイクル券に記載された料金を車の所有者が支払っていることを証明します。車検、また使用済み自動車の引渡時に必要です。

B券:使用済自動車引取証明書

売却などの理由で車が不要になった時、引取業者が必要事項を記入し、最終の所有者に交付するものです。

C券:資金管理料金受領証

公益財団法人自動車リサイクル促進センターが管理料金を受け取った領収書です。

D券:料金通知書兼発行者控

車の所有者に対してリサイクル料金を通知した後、事業者側で保管をしておく書類です。

リサイクル券を紛失していた場合、買取店に登録番号と車体番号を伝え、リサイクル料を払っていることを確認してもらうことができます。

または、自分で運輸支局に行き、専用の端末から再発行することも可能です。

たとえリサイクル券がなくても、車の売却は可能です。インターネットで預託状況を検索できます。

普通自動車:譲渡証明書

普通自動車:譲渡証明書
譲渡証明書は、自動車の所有者が変わった場合に、いつ誰に譲渡が行われたのかを証明するものです。

譲渡証明書には定められた書式があります。買取店で書式をもらうか、軽自動車検査協会のホームページでダウンロードし、準備しておきましょう。

普通自動車:自動車税還付委任状

通常は売却額に還付金が含まれていることがほとんどです。買取店にまずは還付金が含まれているかどうかを確認しましょう。

もし含まれていなかった場合、自動車税還付委任状にサインして買取店に渡せば、代理で申請を行ってくれます。

普通自動車:委任状

車を売却する時に、買取業者が代理人として自分の代わりに名義変更などの手続きを行うために必要な書類です。

通常は買取店が書式を無料で用意しています。必ず本人が記入し、押印の際には実印を使用しましょう。

共通:振込口座情報

共通:振込口座情報
基本的に忘れることはないかもしれませんが、車の売却の際には振込口座の情報が必須です。通常、買取業者は現金の受け渡しに対応していません。

口座を複数持っている場合は、どこに振り込んでもらうかをあらかじめ検討しておきましょう。

共通:(任意)メンテナンスノート

メンテナンスノートは「メーカーの保証書」+「点検整備記録簿」のセットのことです。

点検整備記録簿には、法廷点検整備の記録、リコールの整備、オイル交換、消耗部品の交換などの記録が残ります。

車をどのように乗ってきたかを示すものであり、大事に乗ってきたことが証明できれば査定で有利に働くこともあります。

必須書類ではありませんが、もしあるようであれば提示できるよう準備しておきましょう。

共通:(変更がある場合)住民票、戸籍謄本、戸籍の附票

自動車車検証の住所と現住所が異なる場合、1度の住所変更であれば住民票1枚、複数回の住所変更であれば戸籍の附票が1枚必要です。

結婚などで姓が変わっている場合には、戸籍謄本を1枚提出する必要があります。

契約後の注意点9項目

契約後の注意点9項目
山場である契約が終わり、これで一安心と思うかもしれません。しかしながら引き渡し、入金までまだまだ注意しておくべき細かな点があります。

最後まで気を抜かずに手続きと確認を進めましょう。

①キャンセルをしない

もっと高額で買い取ってくれる業者に変えたい、などの理由で契約後のキャンセルをすることは避けましょう。キャンセルによりトラブルに発展する恐れがあります。

後で後悔してキャンセルしたいという気持ちにならないよう、契約を結ぶ前に、自分がこの内容で納得できるのかどうかをしっかりと検討するようにしてください。

どうしてもやむを得ずキャンセルをしなければならない場合もあるかもしれません。

契約後のキャンセルを不可としている業者もあれば、「契約後〇日まではキャンセル可能」としている業者もあります。

万が一に備えて、キャンセル時の規定がどうなっているのかを契約締結前にきちんと確認しておくことが必要です。

②クレームガード保証を付けるか検討する

クレームガード保証は、中古車を売却した後のクレームに対応する一種の保険です。

査定時に見つからなかった問題が見つかったと業者からクレームをつけられた時に、クレームガード保証をつけていれば価格が引き下げられる心配がなくなります。

ただし、何があっても責任や賠償を問われないわけではないこと、また保険料の負担もあるため、保証をつけるかどうかはよく吟味することが重要です。

③車の引き渡し日を確認する

③車の引き渡し日を確認する
車の引き渡しは、通常は査定をしてから1週間程度で行われます。売主の要望を確認した上で引渡日を決め、契約書に記載します。

ただし、業者によって異なりますので、事前に確認しておきましょう。

査定から車の引き渡しまでがあまりにも長い期間である場合、再度の査定を求められ、査定額が下がる可能性があります

④査定後はなるべく車に乗らない

査定後はできる限り車に乗ることを控えましょう。査定時より走行距離が増えるだけでなく、事故に遭うリスクもあるためです。

どうしても必要な場合には、代車を買取業者に用意してもらうことも可能です。

また、もし可能であれば雨風にあたらない場所、車を傷つけられる恐れのない場所で保管するようにしてください。

⑤ガソリンは満タンにしない

店頭に並べた際の火災のリスクを考え、ガソリンをできる限り入れてほしくない買取業者は多く存在します。

車の引渡時に最低限残るよう、車の引き渡しが近づいてきたら給油をしないか、1回に1,000円、2,000円と金額を決めて少量だけ入れるようにしましょう。

⑥車の中に忘れ物がないかチェックする

査定時に掃除をしたので不要なものは処分済みと思うかもしれませんが、車の中に置き忘れがないかチェックしましょう。

特にグローブボックスの中やサンバイザーは見逃すことが多い場所です。

引き渡し後に買取業者が保管してくれる場合もあるとはいえ、処分される可能性も十分あり得ます。後悔しないよう、念入りに確認を行うことが必要です。

⑦引き渡し前の写真を撮っておく

⑦引き渡し前の写真を撮っておく
引渡前にあらゆる角度からの写真を撮っておくことをおすすめします。そうしておけば、引取後に傷や凹みによる減額を買取業者から求められたとしても、証拠として提示することができます。

トラブル回避につながるだけでなく、自分が使った車を記念に残すこともできるので一石二鳥です。

⑧入金予定日、また入金を確認する

車を売却した後いつお金が入金されるのか、必ず確認するようにしましょう。

車の引渡後、2日で入金される場合もあれば、1週間程度かかることもあります。手続きが完了してからの入金になるため、買取業者によって異なります。

また、業者の繁忙期だと通常より時間がかかることもあるかもしれません。

事前に何日かかるのか確認しておき、予定されていた日を過ぎても入金がなければすぐに買取店に連絡してください。

⑨任意保険の手続きを行う

自賠責保険については、手続きを自分で行う必要はありません。買取業者が必要な処理を行います。

ただ、任意保険の手続きは自動では行われません。

車を売却し、別の車に乗り換えるのであれば「車両入れ替え手続き」、それ以外の場合には「解約」もしくは「中断手続き」が必要となります。

車両入れ替え手続きの場合、新しい車の納車前に行うことがおすすめです。保険会社によって異なりますが、目安として新しい車を取得した翌日から30日以内との期限があり、それを超えると新規契約になってしまうためです。

自分が契約した保険会社に連絡を取り、手続きを進めましょう。

まとめ

①車の売却手続きがどのような流れなのか、確認しておくとスムーズに取り引きができる
②車を売却する前に事前に相場を確認し、自分に合った買い取り店を決める
③必要書類を確認し、足りないものは準備しておく
④車の傷や凹みは自分では修理せず、修理歴や冠水歴があれば正直に報告する
⑤契約後にも注意点はあるので、確認しておく
※本記事は公開時点の情報のため最新と異なる場合があります。
カータル編集部
カータル編集部
この記事は中古車の売却、査定などについての知識が豊富な私たちが執筆しています。車を少しでも高く売るコツや必要な書類、手続きに関する疑問や質問にお答えしています。

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