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車のバッテリー切れは、ライトの消し忘れなどが原因で起こることがあります。また、バッテリーには寿命があるので交換時期もやってきます。
ちょうど売却前にバッテリー切れを起こした場合、交換してから査定に出したほうが良いのでしょうか?
また、バッテリー切れの車を売却する際のポイントやバッテリー切れの原因なども併せて説明するので、参考にしてください。
バッテリーの仕組み
車に搭載されているバッテリーとは、充電して使える電池のことです。化学反応を起こして電気を発生させ、貯めておくことができます。
バッテリーケースには、バッテリー液と呼ばれる希硫酸が入っています。その中には鉛でできた負極板と二酸化鉛でできた正極板が入っており、これらが化学反応を起こして電気を作るという仕組みです。
主に、バッテリーはエンジンを始動させるのに使われています。エンジンを動かすセルモーターの回転には電力が必要だからです。
また、停車中の車内のオーディオ、パワーウインドウ、ライトなどの電装品を動かすのにも使われています。停車中に消費されたバッテリーは走行中に充電されていきます。
バッテリー切れを起こせば、そもそも車が動かなくなってしまうということです。
バッテリー切れが起こる原因
バッテリー切れは様々な原因で起こるとされています。以下ではその原因について6つ紹介します。
ライトにもバッテリーの電力が使われています。夜間やトンネルを走行中にライトを点灯します。
自宅や駐車場などに車を停める際、ライトを消し忘れたまま車を離れてしまうこともあるかもしれません。ライトはつけっぱなしの状態になり、その間もバッテリーが消費されてしまいます。
車はドアを開けると室内灯が点灯し、閉めると消灯します。半ドアのまま車を離れると、室内灯はつけっぱなしの状態です。
また、室内灯をオフにした状態であっても、エンジンを止めた後車内で探し物をする際などに室内灯を点灯させて消すのを忘れてしまうというケースも考えられます。
車によってはエンジンを切ってもエアコンだけはオンになる場合があります。エンジンを切ったままエアコンを長時間使うことでバッテリーが消耗し、充電されないのでバッテリー切れを起こす可能性が高まります。
バッテリーも使っているうちに消耗して、次第に放電や充電ができなくなってきます。大体2~4年で寿命がくるので、新しいものに交換しなければなりません。
また、バッテリーの寿命が近付くと、バッテリー上がりを起こしやすくなります。
バッテリー液、つまり希硫酸が所定量入っていれば問題ないですが、減ってしまうことがあります。減った状態では中の極板がバッテリー液に浸かっていない状態になり、劣化してバッテリー切れを起こしやすい状態になってしまいます。
長期間車を運転しないとバッテリーも消費されないと思われがちですが、そうではありません。動かさない間もバッテリーは放電されています。
車は走行中にバッテリーが充電されます。車を動かさないと充電される機会もないので、いざエンジンを始動させようとしてもエンジンがかからない場合があります。
バッテリーは車を走行させれば充電が行われるので、減ることはないと思われがちですが、バッテリーにも寿命があります。
消耗したバッテリーに関しては、バッテリー切れを起こしてそのままにしておいても回復しません。放電と帯電がスムーズにできなくなるので、もはや電気を作り出すこと自体難しくなってしまうからです。
その上、車を走行させても充電されないため、バッテリーが消費され続けるだけの状態が続くことになります。
放置しても自然に蓄電されるわけではないので、最終的に新しいものに交換しなければなりません。
バッテリー切れの応急処置
バッテリーが切れた場合、いくつかの応急処置を取ることで、一時的にエンジンを始動させて車を動かすことができます。以下ではその方法について3つ紹介します。
ジャンピングスタートとは、他の車のバッテリーから一時的にバッテリーを補充して、エンジンを始動させる方法のことです。
「ブースターケーブル」という専用のケーブルが必要になります。ブースターケーブルを使う場合はつなぎ方に注意しましょう。赤と黒の2本のケーブルを順番にバッテリーのプラス端子、マイナス端子につないでいきます。
まず、赤のケーブルをバッテリーが切れた車のバッテリープラス端子に、反対側を他の車のバッテリープラス端子につなぎます。次に黒のケーブルを他の車のバッテリーマイナス端子に、反対側をバッテリーが切れた車のフレームなどの金属部分につないで、エンジンをかけてください。
外す時はつないだ時と逆の順で外します。順番を間違えると火花が出たりショートしたりするので危険です。
「ジャンプスターター」という小さな代替バッテリーがあれば、他の車がなくても自力でエンジンをかけることが可能です。
まずジャンプスターターの充電を確認し、黒いクランプをバッテリーのマイナス端子に、赤いクランプをプラス端子につなぎます。
ケーブルを本体に接続しエンジンをかけ、エンジンがかかったらケーブルとクランプを抜いていきます。
外出先でバッテリーが切れてしまうと、ブースターケーブルやジャンプスターターがない場合は応急処置ができません。その時は、JAFなどのロードサービスに連絡してきてもらうという手段もあります。
会員でなくても呼べますが、費用が高くなってしまいます。任意の自動車保険でロードサービスが呼べるサービスが含まれている場合もあるので、いざという時のために確認しておきましょう
バッテリーの交換方法
バッテリー切れを起こしたら、自然には回復しません。もはやバッテリー交換をしなければ、車を動かすことはできないのです。
バッテリー交換はさほど難しくないとされており、自分でメンテナンスする方もいます。
バッテリー交換の方法は、まずマイナス端子プラス端子の順に抜いて、金具を外してバッテリー本体を外します。新しいバッテリーの本体をはめ込んで、金具を取り付けプラス端子マイナス端子の順につけてください。
バッテリー内のバッテリー液には劇薬の希硫酸が使われているため、取扱いには十分注意が必要です。肌に触れると火傷するリスクがあります。目に入ると失明の危険もあります。そのため、作業時にには保護めがねや手袋などをして、安全に作業しましょう。
また、バッテリーは容量などが決まっており、自分の車に合ったものを準備する必要があります。手順は簡単ですが、バッテリー選びや交換に不安を感じたら無理をしないで業者に依頼しても良いかもしれません。
バッテリー切れの車も売却は可能
バッテリーが切れた車であっても、基本的に売却することは可能です。ただし、売却時には修理もしくは新しいものに交換しなければならないため、査定で不利になると思う方が多いかもしれません。
しかし、実際にはユーザーが敢えて交換しないほうが良いとされています。それは、バッテリーを購入し、業者に交換を依頼すると「バッテリー代」と「工賃」で結構な出費となってしまうからです。
バッテリー切れの車を売却しようとしても、エンジンがかからないので買取業者のお店で査定を受けることはできません。そういった場合は、自宅まで業者が来て査定してくれる「出張査定」を依頼すれば、車を持っていかなくても査定が受けられるので効率的です。
車を売却する際に、バッテリーが切れていると査定ではマイナス要素になると思われがちです。「査定前にどうにかしなければ…」と焦る方もいるかもしれませんが、その必要はありません。
実際にはバッテリー切れの車でも、査定額にあまり影響がないとされています。
買取業者はバッテリー切れの車に対しては、エンジンを始動させる必要があるので、ブースターケーブルや代わりのバッテリーを準備して査定に訪れます。実際にエンジンを始動させて故障がなければ、車の価値としては問題ないと判断されるでしょう。
ただし、バッテリー切れ以外の原因でエンジンがかからないとなると、別の箇所が故障している可能性があります。そうなると、査定額に影響を及ぼすことがありますので注意してください。
バッテリー切れだけなら、バッテリーを新しいものに交換すれば問題ないので、メンテナンス後に中古車市場での利益が十分見込めると考えられます。
買取業者では自社もしくは提携している整備工場があり、メンテナンスも通常より安く行えるので、バッテリー切れだけであれば査定額にあまり影響しないことが多いです。
車の査定前にバッテリー切れを起こしてしまった場合、すぐに交換しなければと思うかもしれません。
しかし、バッテリーを新しいものに交換するよりも、バッテリー切れのまま売却したほうが損しないケースが多いです。
逆に査定前にバッテリー交換をしても、交換にかかった分だけ査定額が上がるのかというと、必ずしもそうとは言えません。
バッテリー交換や修理にかかる費用は、業者に依頼すると5,000円~20,000円ほどです。輸入車だとさらに数万円かかる可能性があります。また、バッテリーにも種類があって性能の高いものだともっと高くなります。
バッテリーは自分で交換する方もいますが、ハードルが高いのでどうしても業者に依頼するケースが多いです。そうなると業者によっては工賃がもっと高くなる場合もあります。
バッテリー切れの車を売却するときのポイント
バッテリーが切れた車を売却するには、買取業者を利用するのがおすすめです。ディーラーの下取りでは査定額が安くなってしまう可能性があります。
買取業者の場合、自宅まで出張査定に来てくれるサービスがあります。もし買い取りが決まると、業者が車を引き取ってくれるので便利です。
また、複数の業者に査定を依頼すれば、査定額などを比較してよりよい業者を選ぶことができます。
査定をスムーズに行うために、バッテリー切れであることを業者にしっかり伝えておきましょう。
車の売却では、ディーラーの下取りに出す方法もあります。
これは、主にディーラーで新車を購入する際に、そのまま今まで乗っている車を引き取ってもらう形を取ります。
購入と同時に車を引き取ってもらえるので、わざわざ車の売却先を探さなくても良いため効率的です。
ただし、買取業者を利用するよりも査定額が下がる可能性もあります。下取額はそのまま新車の購入額に充てられるので、現金化することはできないのが一般的です。
中古車の売却にはベストなタイミングがあります。
一般的に「3月と9月」は会社の決算期になります。多くの会社は9月は中間決済、3月は年度末決算です。
決算期は少しでも利益を上げようと、業者は1台でも多く売ろうと動くでしょう。売り上げを伸ばすためには、在庫を十分に抱えておく必要があります。
特に人気車種は少し査定額を上げてでも手に入れたいと考えるので、査定額がアップする可能性があります。
また、1~3月にかけてもよく中古車が売れる時期です。4月は進学や就職など、新生活をスタートさせる方もいます。通勤や通学で車が必要になり、少しでも安い中古車を購入したいという需要が急激に高まります。
そのため、買取業者も在庫を増やすために、いつもより査定額を上げて買い取ってくれる可能性があるでしょう。
車の買取業者はたくさんあり、規模や実績などもそれぞれ異なります。また査定のポイントや販売ルートも違うなど、業者ごとに特徴があります。
同じ車種であっても需要が高いのに在庫がなく、どうしても手に入れたいとなれば査定額を上げるなど、業者によって買取額が違うこともあるでしょう。
1社のみに査定を依頼するだけでは、査定額が高いのか低いのか判断しづらいものです。たまたま依頼した業者が一番査定額が低いと、損する可能性があります。
複数の業者に見積もりや査定を依頼することで、査定額を比較できます。その結果、一番高く買い取ってもらえるお店を見つけやすくなります。
いくつかの業者を選定し、査定をしてもらうのがおすすめです。
出張査定とは、買取業者が車が保管してある自宅や駐車場まで来てくれて査定をしてくれるサービスのことです。
車を店舗まで持っていかなくても、業者が来てくれるので効率的でしょう。特にバッテリーが切れた動かない車は、動かすことなく査定が受けられるので便利です。
予めバッテリーが切れていることが業者側に伝わっていれば、代替バッテリーなどを準備してくれます。その場で応急的にエンジンを始動させることができれば、エンジンやブレーキなどの状態を見ることも可能なので、査定には問題ありません。
もし伝え忘れていても、自分でブースターケーブルを準備すれば、業者が乗ってきた車とつないで応急処置をすることが可能です。
出張査定ではなく、店舗に持っていきたいという方もいるでしょう。バッテリーが切れていると、動かせないので業者を呼ぶしかないと思われがちですが、応急的に車を動かす手段はあります。
前述した「ジャンピングスタート」と「ジャンプスターターという小型の代替バッテリーを使う方法」です。
車を動かすことができれば、自分で店舗に持っていって査定を受けることができます。
バッテリーが切れた車を売却する場合、査定員が査定する段階でバッテリー切れが分かるよりも、事前に伝えておいたほうが良いでしょう。
自宅などへ出張査定で出向いてもらう場合、エンジンが動かせないと査定できません。エンジンを始動させるには、ブースターケーブルや代替バッテリーでの応急処置が必要となりますので、事前にバッテリー切れのことを知っていれば持参できます。
伝えていなければ、最悪その日は査定できないかもしれません。査定をスムーズに進めるためには忘れないように伝えてください。
バッテリーを交換しないで早めに業者を探そう
車のバッテリーが切れてそのままにしておいても、自然に回復しません。時間が経つと、応急処置をしてもエンジンが始動しなくなる場合もあります。
売却を予定している車なら、できる限り早く買い取ってもらったほうが良いでしょう。
買取業者を選定し、数社に査定依頼して実地査定を受けていると時間が経ってしまいます。そのうち…ではなく、業者探しを始めるためにも早めに動くことをおすすめします。