車の売却についての疑問

パンクしている車でも売却は可能なの?タイヤの査定基準を知ろう

車の売却前にタイヤがパンクするという突然のトラブルに見舞われることもあります。そうなると「パンクした車でも売却できるのか?」「査定額に影響は出ないのか?」と心配になるでしょう。

この記事では、パンクした車の売却ができるのかどうかやタイヤの査定基準について説明していきます。

また、タイヤがパンクする原因と応急処置の方法についても紹介しますので、参考にしてください。

タイヤはパンクすることもある

車のタイヤはある日突然パンクするということもあります。

原因の1つとして挙げられるのが、長期間や長距離の運転での摩耗や紫外線によってタイヤのゴムが劣化するということです。

空気圧が不足した状態で高速走行すると、タイヤに大きな負荷がかかり、内部が損傷して裂けるバーストが起こる可能性もあります。

また、縁石などに擦った場合などホイールの損傷によりタイヤに傷がつき、パンクすることもあります。

他にも道路に落ちている釘などを踏んでしまったり、いたずらされてしまうなどの原因も考えられます。

パンクした車でも売却はできる

パンクした車でも売却はできる
タイヤがパンクした車でも買取業者は買い取ってくれるので売却は可能です。ただ、買い取ってくれるものの「査定額が下がるのではないか?」と心配になりますよね。

確かにパンクをしていると査定ではマイナス要素として判断されるので、査定額が下がる可能性はあります。しかし、そもそもタイヤは消耗品なので、パンクも買取業者にとっては査定に大きな影響を及ぼす故障とはなりません。

タイヤを交換すれば中古車市場で売却できるので、車自体の大きな故障がなければ問題なく買い取ってくれるでしょう。

走行出来たとしてもパンクした車に乗ってはいけない

車のタイヤがパンクしても、損傷が小さければ少しの違和感を感じる程度で走行できてしまうこともあります。「多少なら大丈夫だろ」と、そのまま乗り続ける方もいるかもしれませんが、それはとても危険です。

既にタイヤが損傷し、中の空気が少しずつ漏れている状態なので、ハンドル操作がうまくいかなくなり衝突するリスクがあります。また、タイヤの空気が抜けることでホイールに負荷がかかり、曲がったり歪んだりするかもしれません。

タイヤのパンクの穴や傷も始めは浅く、軽微だったのに無理に走行させることで損傷が広がり、タイヤやホイールまで交換しなければならなくなってしまいます。そうなると、査定額に大きく影響する可能性もあります。

タイヤがパンクしたときの対処法

タイヤがパンクしたときの対処法
タイヤがパンクすると、走行中にタイヤに違和感を感じ、異音がしてハンドルを取られる可能性が高いです。違和感を感じたらすぐに車を路肩に寄せたり、駐車場に入れたりしてください。そのまま走行しないことが大事です。

スペアタイヤが搭載されている車なら、応急処置としてタイヤを交換しましょう。

スペアタイヤが搭載されていない場合は、タイヤ修理キットで穴をふさぐなどの処置を行います。

タイヤに大きく亀裂が入っていたり損傷がひどい場合は、応急処置ができないのでロードサービスなどに連絡して対処してもらうことをおすすめします。

スペアタイヤに交換する

外出先でタイヤがパンクし、自宅まで距離がある場合は、そのまま走行しないほうが良いでしょう。

車にスペアタイヤが搭載してあれば、交換してください。スペアタイヤはホイールが黄色で、通常よりも空気圧が高い状態であるのが特徴です。それは、やや小さいサイズでも車体を支えられるようにするためです。

また、売却予定の車で引き渡しまでに期間があるならスペアタイヤを装着し、あまり運転しないほうが良いでしょう。スペアタイヤはサイズが合っていない場合も多く、あくまでも応急処置にすぎません。新しいタイヤに交換するまでのつなぎなので、そのままいつも通り乗り続けるのは控えてください。

スペアタイヤを搭載していない車は早めの買取を

以前はパンクに備えてほとんどの車にスペアタイヤが搭載されていました。しかし、車の構造上、スペアタイヤを積まない傾向となり、車種によっては搭載されていない場合もあるので注意が必要です。

スペアタイヤがない場合は新しいタイヤに交換する必要があります。その際に「タイヤの購入費」と「タイヤの交換を業者に依頼するときの工賃」がかかります。そのため、数千円~数万円は必要になります。

もし売却予定の車であるのなら、パンクによりタイヤを購入し交換すると余分な出費となってしまいます。そのため、できれば早めに買い取りに出したほうが良いでしょう。

タイヤ修理キットで応急処置を

パンクの応急処置として、タイヤ修理キットを利用して一時的に穴をふさぐという方法もあります。

タイヤ修理キットはカー用品店やネットショップなどでも購入可能です。

また、スペアタイヤ未搭載車には、純正のタイヤ修理キットが搭載されている場合があります。主にカーゴルーム(後ろの荷物載せの床下)に収納されている場合が多いので確認してみましょう。見つからない場合は、車の取扱説明書を見てみましょう。

キットの内容は、修理剤、コンプレッサー、注入キャップ、ホースなどが入っています。

修理の方法は、パンクしたタイヤに修理剤と空気を注入するだけです。手順通りに行えば誰でもできるのでさほど難しくはないとされています。

しかし、タイヤ修理キットを用いた応急処置はあくまでも一時的なものにすぎません。そのまま走行を続けるのは危険であり、速度制限もあるので、できる限り早めにタイヤを交換するか買い取りに出すことをおすすめします。

「直径4㎜以上の釘などがささっている」「補修材の有効期限が切れている」「タイヤが2本以上パンクしている」「ホイールの損傷が見られる」などの場合は、タイヤ修理キットは使えないので注意が必要です。

パンクした車の査定額は減額になる可能性が高い

パンクした車の査定額は減額になる可能性が高い
前述しましたが、タイヤがパンクした車でも買取業者に売却することはできます。

ただし、業者側も新しいタイヤに交換しなければ中古車として再販できません。そのため、「新しいタイヤ代」と「交換費用」の分を査定額から差し引く可能性があります。

パンクしていない場合と比べると査定額は下がることになるでしょう。どの程度査定額が下がるかは、パンクの程度や使用しているタイヤの大きさや種類などによって違うので一概には言えません。

新品のタイヤに交換しても査定額は上がらない

タイヤがパンクしたら、応急処置をしてもパンクしたままのタイヤで車に乗り続けるのは危険です。そのため、新しくタイヤを購入して交換しなければなりません。

ただし、売却前にタイヤを新品に交換しても、実際にはタイヤの購入費の分だけ査定額は上がらないというケースがほとんどです。

せっかく新品のタイヤに交換しても、査定額に反映されないので購入費用分だけ損することになるかもしれません。その上、業者にタイヤ交換を依頼すると「工賃」もかかります。

パンクしたタイヤだけを新品に交換しても、他の3本のタイヤはある程度年数が経過しているというケースもあるでしょう。そうなると他に付いている3本のタイヤの溝の深さや摩耗度が違うのでバランスが悪くなり、走行にも影響を及ぼす可能性があります。

また、1本だけ新品だと見た目にも違和感があり、逆に新品タイヤが目立ってしまうこともあるのであまり良いとは言えません。

他のタイヤと同等程度の中古タイヤを付けるのがおすすめ

パンクしたタイヤを新品のタイヤに交換すると、他の3本とのバランスが悪くなってしまいます。そのため、新品ではなく他の3本と同じぐらいの摩耗度、溝の深さの中古タイヤを付ければ、交換したことも分からないくらい、自然な印象になるかもしれません。

中古タイヤは専用の販売店やネットオークションなどを利用すれば探せます。同じメーカー、大きさ、ほぼ同じ消耗度のタイヤ1本位なら見つかる可能性があります。

ただし、車に詳しい方でないと判断しづらいかもしれません。また、見つかる保証はないので売却の期限が迫っている場合は、やはりパンクしたタイヤのままで買い取りに出すしかなくなることも頭に入れておきましょう。

車の売却でタイヤの状態は査定額に影響する

車の売却でタイヤの状態は査定額に影響する
パンクしていないタイヤでも、タイヤの摩耗度や傷の有無、大きさによって買取時の査定額の増減に影響してくる場合が多いです。

一般的にタイヤの状態は査定額に大きく関係しないとも言われています。しかし、タイヤの査定基準というのは大体決まっているので、事前に知っておくと役立つでしょう。

愛車のタイヤがどこに当てはまるかチェックしてみてください。

また、査定では「スペアタイヤ搭載車なのにスペアタイヤがない場合」や「タイヤ修理キット搭載車なのに未搭載の場合」は査定額が減額となるので確認しておきましょう。

査定時のタイヤの評価基準

売却前の査定時におけるタイヤの状態によって、JAAI(日本自動車査定協会)がタイヤの査定基準を設定しています。

ほとんどの中古車買取業者は、JAAIが定める基準を使い査定を行っているので、知っておくと役立つでしょう。

具体的には、以下のような決まりや基準があります。

  • タイヤの溝の深さが1.6㎜未満だとマイナス査定となる
  • タイヤ修理キットがない場合は査定額ダウンとなる
  • 車検時の基準となる保安基準に触れるタイヤやホイールは交換しなければならない
  • 12.5インチなどのホイール径は端数を切りあげて13インチにする

JAAIのホームページに詳しい基準が記載されているので確認してみてください。

タイヤの溝

タイヤの査定において、重要視されるのは溝の深さです。

タイヤがすり減ってくると、摩耗の限界を示す「スリップサイン」が現れます。これはタイヤの底にある少し盛り上がった部分のことです。1つのタイヤに4~9ヶ所ほど設けられています。

スリップサインは、タイヤの溝が1.6㎜未満になると、溝との境目が徐々になくなり出現します。

溝が1.6㎜未満でスリップサインが出ているタイヤでの走行は保安基準違反であり、車検にも通りません。そのため、査定ではマイナス要素となり査定額は下がります。

溝が1.6㎜以上のタイヤはプラスマイナス0です。

新品のタイヤの溝は8㎜程度なので、溝が5㎜以上あるタイヤは割と新しいタイヤだと判断されるのでプラス査定となります。

タイヤの大きさ

車の査定では、タイヤが大きいほど査定額がプラスになるとされています。ただし、全てのタイヤにおいて溝が5㎜以上あることが条件です。

いくらタイヤが大きくても、すり減って溝が残っていないタイヤはやはりマイナス査定になるので注意しましょう。

一般的に、19インチ以上のタイヤは8,000円前後は査定額にプラスされることが多いです。ただし、車体に対してあまりに大きすぎるタイヤは改造車だと判断され、逆に査定額が下がることもあります。

18~14インチのタイヤは3,000円~7,000円前後査定額が上がることもあります。

軽自動車は14インチ、普通車は18~15インチまでのタイヤが使われている場合が多いです。

1インチ大きくなると、大体1,000円査定額が高くなるのが一般的です。

13インチ以下のタイヤであっても、2,000円前後査定額がプラスされることもあります。

タイヤの溝が1.6mm以下だと危険

タイヤの溝が1.6㎜以下の場合、スリップサインが出現します。タイヤは運転の仕方や道路の状態、空気圧などによってすり減る部分が違うので、全ての箇所で同じように出るとは限りません。

溝が残っているタイヤでもよく見ると摩耗がひどく、スリップサインが出現している部分があるかもしれないのでチェックしたほうが良いでしょう。

スリップサインが出ているタイヤで走行するのは道路運送車両法違反となるので、整備不良として取り締まりを受ける場合もあります。

また、溝が4㎜以下になると徐々にブレーキが効きにくく、ハンドルを取られるようになり事故を起こすリスクも高まります。車検の保安基準にもひっかかるため、交換しなければ車検に通らなくなり公道を走行できません。

タイヤの溝が1.6㎜以下の車は業者側は買い取っても、中古車市場に出すことができないので交換する必要があります。そのため、「タイヤの購入費用」と「工賃」の費用を負担することになります。その分だけ査定額から差し引かれることになるでしょう。

どのぐらい査定額が下がるのかというと、19インチ以上のタイヤで約-35,000円、18インチで約-30,000円、17インチで約-25,000円、16インチで約-17,000円です。タイヤが大きいと下がる金額も大きくなります。

14インチでは約-10,000円、13インチ以下では約-9,000円の減額になる可能性があります。

純正タイヤは査定額アップにつながる

純正タイヤは査定額アップにつながる
中古車市場では、タイヤやホイールは純正品が好まれる傾向にあります。そのため、車を売却する際にタイヤとホイールが純正品だと、状態によっては査定額が上がる可能制が高いです。

逆にタイヤやホイールが社外品の場合、査定での評価は下がり減額の対象となってしまうこともあります。

社外品に交換して乗っており純正品を保管している場合は、できれば純正品に付け替えてから査定を受けるのがおすすめです。

ただし、純正品に戻すのを業者に依頼すると「工賃」がかかります。そのため、まずはどのぐらい工賃がかかるのかを調べておきましょう。

工賃分ほど査定額が上がらないと損する場合もあります。工賃のほうが高くつくなら、敢えて交換しないで純正品のタイヤを査定時に準備し、査定員に「一緒に付ける」と伝えてください。そうすれば、買取後に業者側で純正品に付け替えれば良いので、査定額の減額を免れる可能性があります。

スタッドレスは査定額にほぼ影響しない

スタッドレスは査定額にほぼ影響しない
冬になると路面の凍結や積雪より、スタッドレスタイヤが必要となる場合もあります。

スタッドレスタイヤは、ノーマルタイヤよりも溝が深く、溝の間に雪を受け止めることでできる雪の柱を利用した力により、滑らないで路面を走行できるようになっています。

スタッドレスタイヤはノーマルタイヤよりも金額が高いですが、車を売却する際の査定ではさほど影響がないとされています。そのため、査定時にスタッドレスタイヤを付けたとしても、査定額は変わらない場合が多いということです。

ただし、降雪確率が高い、降雪量が多い地域ではスタッドレスタイヤが必需品となります。スタッドレスタイヤを重視する地域で車を売却する場合はプラス査定になるかもしれません。

スタッドレスは個別に売却かとっておくとよい

スタッドレスタイヤを付けていても、一部地域を除き査定ではプラス要素になりにくいとされています。

そのまま保管しておいても、ゴムが劣化して使えない状態になる可能性が高いです。そのため、「中古タイヤ買取専門店」で売却するほうが得することもあります。

タイヤのみを商品として査定してくれるので、思いがけず高く買い取ってもらえるかもしれません。

ただし、「タイヤの状態が悪い」「4本ではなく1本や2本しかない」「年式が古い」など条件があまりよくないと買取額が下がることもあるので、念頭に置いておきましょう。

また、乗り換える車とタイヤのサイズが同じなら、保管しておいて次の車に使うという手もあります。そういった場合は、日陰に平置きして保管しておくのがおすすめです。

手間をかけたくないなら、査定額アップを見込めなくても車と一緒に付けて買取業者に引き取ってもらうという手もあります。

まとめ

①タイヤはゴムの経年劣化や空気圧不足などにより突然パンクすることがある
②パンクした車を走行し続けると損傷がひどくなるので、スペアタイヤへの交換やタイヤ修理キッドの使用などで応急処置をする必要がある
③パンクした車でも売却することは可能だが、査定額は下がる可能性が高い
④査定前に新品のタイヤに交換しても、交換にかかる費用分を査定額でまかないきれない場合が多いので損することになる
⑤タイヤは大きさや溝の深さなどによって査定額が違ってくる
※本記事は公開時点の情報のため最新と異なる場合があります。
カータル編集部
カータル編集部
この記事は中古車の売却、査定などについての知識が豊富な私たちが執筆しています。車を少しでも高く売るコツや必要な書類、手続きに関する疑問や質問にお答えしています。

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