同じ年式や車種であっても、査定に出すと車の状態を見られるので買取価格が異なります。中にはマイナス査定になってしまう車も見られます。
その要因として大きいのが、車内でタバコを吸ってきた喫煙車です。一般的に喫煙車は禁煙車と比較して、査定金額が安くなる傾向が見られます。
なぜ買取価格が低くなってしまうのか、その理由についてみていきます。
喫煙車を売却するにあたって、少しでも高く売りたいと思う方もいるでしょう。そこで、プラス査定にするためにどのような対策が講じられるかについてもまとめましたので、参考にしてみてください。
喫煙車がマイナスになる理由
一般的に喫煙車は、マイナス査定にされる傾向が見られます。それは、タバコを吸った車をマイカーとして購入したいと考える人が少ないからです。
まずは、なぜ喫煙車がマイナスになるのか、どの程度査定金額が落ちてしまうのかについて見ていきましょう。
普段からタバコを吸っている方はあまり自覚がないかもしれませんが、タバコを吸うと服や車内に独特の臭いが残ります。
普段、タバコを吸わない人からしてみると、この臭いが「嫌い」という方は多いです。
長期間タバコを車内で吸い続けると、臭いがこびりついてしまいます。簡単な清掃や消臭だけでは、なかなか取りきれないこともあります。
また、ヘビースモーカーの方が乗っていた車になると、臭いだけでなくヤニがこびりついている可能性も高いです。天井などを確認して黄ばみがあれば、それはヤニのせいでしょう。
さらにタバコの灰を車内に落としてしまって、シートなどに焦げが見られるかもしれません。このような汚れがマイナス査定の対象になってしまうわけです。
禁煙車と喫煙車を比較して、どの程度査定金額に差が出るのか、気になる方も多いかもしれません。
これは業者によって変わってくるようです。
10,000~20,000円程度のマイナスというところもあれば、50,000~100,000円と高くマイナスになってしまう業者も見受けられます。
また、車の状態によっても違ってきます。低年式で傷だらけのような、もともとコンディションの悪い車だと、タバコを吸ったかどうかは些末な問題と見られるからです。
大抵の車は、買い取られると中古車オークションに出品されます。中古車オークションのこれまでのデータによると、平均して喫煙車は禁煙車よりも「50,000円以上」安い価格がつくことが多いです。
そのため、5万円程度のマイナス査定は十分考えられると心得ておきましょう。
喫煙車の買取価格が低くなるのは、当面続くと考えられています。禁煙を促す動きはどんどん広まっていて、喫煙者が少なくなっているためです。
JTの調査によると、2017年5月の喫煙者の割合は男性28.2%・女性9.0%でした。ちなみに2003年の同データによると、男性47%・女性13%が喫煙者だったので、大幅に減少していることが分かるでしょう。
喫煙できる場所もどんどん少なくなっています。また、タバコの値上げもこれまでに何度も実施されてきました。
嫌煙ムードは今後も強まると十分予測できます。そのため、タバコを車内で吸ってきた車の買取価格は、これからも安くなる可能性は高いです。
「喫煙車と申告しなければバレないのではないか?」このように思う方もいるかもしれません。ヘビースモーカーだと厳しいかもしれませんが、車内ではあまりタバコを吸わなければそう思っても無理はないでしょう。
しかし、結論から言うと、禁煙車とバレない可能性は低いです。
査定項目の中で車内の臭いなど、タバコに関連する項目が設けられています。その上、査定士も数多くの車の査定をしているプロです。ちょっとした臭いだけで、対象の車が喫煙車か禁煙車か判別できます。
そのままで査定に出せば喫煙車と認定され、マイナス査定になってしまいます。
別項で紹介していますが、少しでも臭いを軽減できるような対策を講じてから査定に出すようにしてください。
喫煙車かどうかは、かなりの確率で査定士がチェックした段階で分かります。しかし、100%絶対にバレるかというと、そうも言いきれません。
例えば、査定士自身が喫煙者だった場合です。
タバコを普段から吸っている方は、服についたタバコの臭いに気づかないものです。喫煙者は常にタバコの臭いを嗅いでいるので、臭いに鈍感になっているからでしょう。
喫煙者で、自覚がないけれども周りから「タバコ臭い」と指摘された経験のある方も多いはずです。
喫煙者の査定士であれば、タバコの臭いに関するジャッジが甘くなるかもしれません。しかし、喫煙者の査定士が来る可能性はそんなに高くないので、あまり期待しないのが無難です。
車の売却と電子タバコの関係
街中を見てみると、いわゆる従来の紙巻きではなく電子タバコを吸っている人をよく見かけます。
紙タバコと比較すると体に害がなさそうなイメージがあるので、電子タバコに切り替えた方も多いかもしれません。
電子タバコを車内に吸っている場合、査定にどの程度影響をもたらすのでしょう?ここでは、電子タバコの車査定の関係についてみていきます。
そもそも、持ち主が電子タバコを吸っていた車が喫煙車として扱われるかどうか、業界で統一の基準はありません。買取業者や査定士によっても、電子タバコの取り扱いには判断の分かれるところです。
電子タバコと紙タバコの大きな違いは、「ヤニの有無」にあります。電子タバコはヤニが出ないので、黄ばみなどの汚れを引き起こすリスクは低いです。
一方でたとえ電子タバコでも、独特の臭いは残るという意見も見られます。そこで、電子タバコでも車内で吸っていれば、喫煙車扱いにしているお店も少なくありません。
このように、買取業者によって扱いは変わってきます。複数のところに査定に出して、見積書の内容で比較するといいでしょう。
電子タバコは従来の紙巻きタバコと比較すると、ヤニが出ないぶん臭いはかなり少ないです。そのため、紙巻きタバコでは完全に除去できない臭いも、電子タバコならあらかた取り除けるかもしれません。
電子タバコの臭いは、市販されている消臭スプレーなどの消臭剤で気にならないレベルまで持っていけると言われています。
もし電子タバコを車内で吸っていたのであれば、消臭対策をしてから買い取りに出すことをおすすめします。
非喫煙者の査定士の場合、消臭剤を使っても臭いに気づかれるかもしれませんが、ほとんどの方は臭いに気付かないレベルになっているでしょう。
そのため、マイナス査定だとしても紙巻きタバコと比較してその差額は少なく抑えられることが多いです。
喫煙車を高額で売却する方法
車を売りたいけれども、「車内で何度もタバコを吸ってしまった…」という方もいるかもしれません。もし、そうなら臭いが残っているので、マイナス査定の対象になるでしょう。
しかし、少しでも高く売却するために、今からでもできる方法があります。喫煙車を少しでも高く売る方法について以下にまとめましたので、参考にしてください。
車内で喫煙をしてきたのであれば、車内をチェックしてみてください。もし黄ばみなどが見られるようであれば、それはヤニによる汚れの可能性が高いです。
ヤニ汚れは査定の際に気になりますし、マイナス査定の対象となります。そのため、車内の清掃をこまめに行いましょう。
ヤニ汚れ対策は、できるだけこまめに行うのがおすすめです。ヤニによる黄ばみは放置すればするほど、どんどん蓄積されます。
掃除が月に1回くらいのペースだと、こびりついてしまって簡単に取り除けないかもしれません。理想は車でタバコを吸うたびにヤニ掃除をすることです。
水拭きのような簡単な掃除だと完全に取り除けない可能性があります。洗剤を使って、本格的に掃除をしてください。
そんなに車内でタバコを吸わなければ、ヤニによる黄ばみはないかもしれません。しかし臭いが残っている可能性は高いです。
タバコの臭いは禁煙家にはかなり嫌われます。喫煙車を買い取りに出すのなら、以下で紹介する臭い対策は怠らずに行いましょう。
あまり手間をかけることなく対策したければ、置き型タイプの消臭剤がおすすめです。
置き型タイプの消臭剤は、ドラッグストアやカー用品店など広く販売しています。いずれもリーズナブルな価格で販売されているので、購入しやすいです。
また、使い方も簡単です。ただ車内に設置するだけで、タバコなどの車内の臭いを吸い取ってくれます。
しかし、置き型タイプの消臭剤は、これから発生する臭いを予防する意味合いが強いです。すでに車内にこびりついてしまっている臭いを除去する効果はあまりないため、臭いがつく前に置いておきましょう。
タバコを吸った時にコートなどに消臭スプレーをかける方も多いでしょう。この消臭スプレーを車内にまく方法も、タバコの臭い対策における一つの手です。
消臭スプレーのいいところは、気になる部分をピンポイントで消臭できる点です。また、タバコの臭い以外にも様々な気になる悪臭を取り除いてくれます。
中には消臭だけでなく、除菌効果もある消臭スプレーも増えてきています。雑菌対策も同時に行うことで、臭いを防げます。
ただし、スプレーをかける際には、車内にまんべんなくかけるようにしてください。車内全体をケアすると車のサイズによっては、すべてに行き渡らない可能性もありますので注意しましょう。
車内のタバコの臭いを一気に消臭したければ、車内拡散タイプの消臭剤があります。こちらを活用すると、短時間でしっかり車内の臭いケアが行えます。
使い方も簡単で、消臭剤のどこかにスイッチがあるはずなので、そこを押すだけです。スイッチを押すと、消臭剤内部に充填されている粒子が一気に放出されます。車内にまんべんなく広がっていくので、全般的な消臭効果が期待できるわけです。
ボタンを押すだけで、あとは粒子が車内に自然に広がっていくのを待ちます。また、手軽に使えるところもおすすめポイントです。
ただし、ヘビースモーカーの方の場合、このタイプの消臭剤だけでは完全に除去できないかもしれません。上で紹介したほかの消臭剤も併用することをおすすめします。
消臭剤を買取前に使用することは、タバコの臭い対策としては有効です。しかし、消臭剤を使用する際には、無香料タイプのものを使用しましょう。
消臭剤の中には消臭効果だけでなく、香料も配合されているものもあります。いい香りのした方がプラス査定になるのではないかと思う方もいるかもしれません。
しかし、タバコ臭が車内に残っていた場合、タバコの臭いと香料が混ざってしまいます。むしろ嫌な臭いになって、査定の際に減点対象になる可能性があります。
消臭剤を使用する際には、無香料のものを使用するように心がけましょう。
夏など、久しぶりにエアコンを使った際に嫌な臭いのした経験がある方もいるかもしれません。これは、エアコンの内部に溜まっていたカビなどが風に乗って車内に広がったためです。
車内でタバコを吸う習慣があると、エアコンのフィルターにも臭いが付着している可能性があります。そこで、エアコンの掃除もしてから買い取りに出すといいでしょう。
エアコンの清掃ですが、スチーム消臭を活用するのがおすすめです。軽度の臭いであれば、スチーム消臭だけでも十分対処できます。
ただし、清掃だけでは徐々にフィルターに汚れや臭いが蓄積してしまうため、定期的にフィルターを交換することも大事です。
タバコの臭いなどは一度こびりついてしまうと、完全に除去するのは難しくなります。査定金額アップのためにも、細かなケアが求められます。
車にあるいろいろなインテリアパーツに臭いがこびりついている可能性があります。
フロアマットをはじめとして外せるものは外して洗うのがおすすめです。
フロアマットに、タバコを吸った時に灰を落としている可能性も十分考えられます。それが臭いの元になったり、焦げを引き起こしたりすることもあります。
もし焦げ付きや穴が開いてしまっているのであれば、新しいものと交換した方がいいでしょう。フロアマットは交換費用もそれほどかかりません。
フロアマットの洗浄はセルフで行うことも十分可能です。外して洗えるものは洗って、臭いを取り除き、綺麗にすれば、査定でプラス評価をされることもあります。
禁煙車を少しでも高く売却したければ、常日頃の清掃が重要です。
臭いやヤニはどんどん溜まっていってしまいます。ある程度溜まってこびりついたところでいざ洗浄といっても、なかなか全部取り切るのは難しいです。
もし清掃をするなら、水拭きなどの簡単な掃除で済ませない方がいいでしょう。
カー用品店に行くと、洗浄グッズがいろいろと販売されています。その中でも内装用のクロスで定期的にメンテナンスするのがおすすめです。
長期間放置しておくと、自分ではもはや対応しきれない可能性もあります。業者にお願いするとかなりの費用も発生するので、こまめにきれいにすることが重要です。
車内清掃をこまめにすることが、車の買取価格を落とさないようにするための基本です。しかし、こまめに掃除する時間がない、面倒という方もいるでしょう。
できることなら禁煙をするのが理想です。
しかし、いきなりずっと禁煙するのは難しいかもしれません。その場合、まずは車内だけでも禁煙にするという手もあります。
車を運転している時だけ禁煙するのであれば、ハードルは低いはずです。その上、車内をきれいな状態に保てるので、高額査定も十分期待できます。
すでにタバコを車内でかなり吸っていた場合でも、手遅れではありません。今からでも禁煙すれば、それ以上車内を汚さずに済みます。
ヘビースモーカーやチェーンスモーカーの方は、車内だけの禁煙でもすぐに目標達成するのは難しいかもしれません。
どうしても車内で喫煙したいと思うのであれば、タバコを吸う時には窓を開けて喚起しましょう。
車内に臭いがこもったり、ヤニがこびりついたりするのは車内が密閉されているからです。窓を開けて空気の流れを作れば、タバコの煙が車外に出ていってくれます。
タバコを吸う際は、自分のところの窓だけでなく、反対方向の窓も同時に開けます。運転席で吸うのであれば、助手席の窓も開けるようにしてください。
2方向の窓を開けることで、風が流れます。1つだけ窓を開けても空気の通り道ができないので、あまり効果が期待できません。