車の売却についての疑問

海外赴任が決まれば車は売却したほうがお得?保管や持込みとも徹底比較

海外に赴任しなければならなくなり、所有している車をどうすればいいか迷っているという方もいるかもしれません。

そのまま保管しておくことも可能ですが、維持費もかかる上に管理者がいないと心配でしょう。

そういった場合、出国までに売却するという手もあります。売却することで海外赴任中に車の維持費もかからず、すっきりとした気持ちで出国できます。

この記事では、海外赴任前に車を売却するメリットや手順、注意点などについて詳しく解説していきます。

海外赴任が決定した時の車の扱い方について

海外赴任が決定した時の車の扱い方について
海外赴任が決まった時、所有している車の扱い方としては主に4つの選択肢があります。

  • 車だけそのまま国内で保管しておく
  • 海外赴任中に家族や親戚、友人などに貸して乗ってもらう
  • 海外に持ち込んでそのまま現地での移動手段として使う
  • 海外赴任に行く前に国内で売却してしまう

どの方法を選ぶかは、それぞれのメリットやデメリットを考慮した上で、慎重に決める必要があります。

車だけを国内で保管しておく

国内で車を保管する場合、乗らなかったとしても自動車税は課税されます。また、車庫がない場合は、駐車場を借りる費用も発生するでしょう。

また、一時的に公道を走行できないようにしておく一時抹消登録という方法もあります。

一時抹消登録とは、陸運局にナンバープレートを返却して、一時的に廃車にするという手続きです。そうすれば、自動車税は課税されません。

ただ、自動車保険の中断手続きも必要となります。そして、車自体は保管しなければならないため、駐車場代や管理する人が必要となります。

親族や友人などに使ってもらう

日本に車を残して、その間に家族や友人などに貸して乗ってもらうという選択肢もあります。

保管や管理をしてもらえる上に、乗ってもらえば車の故障リスクも軽減されるというメリットがあります。

人に貸すとなると、車の名義変更や自動車保険の手続きなどが必要です。

また、貸している間に交通事故などで車に傷や凹みがつく、部品交換が必要となり修理しなければならない場合もあります。最悪の場合、走行不能となり修理しても乗れないとなれば廃車にするしかなくなるでしょう。

そういったトラブルが起きたら、どうするのか、ルールをしっかり決めておくことが必要です。

また、急に帰国となった場合、返却してもらえるかなどもあらかじめ決めておきましょう。

海外へ持ち込んで現地で車を使う

海外の赴任先に車を持っていって、現地で運転するという手段もあります。

乗り慣れた愛着のある車を引き続き使えるという点は、メリットです。しかし、海外に車を持ち込もうとする税金や輸送費などがかかります。

また、輸出入という扱いになるので、書類などの手続きが複雑で手間もかかるでしょう。

さらに、海外での車両登録は日本とシステムが違う場合が多く、乗れるようになるまでに時間を要する場合もあります。

国によってはハンドルが逆になり、交通ルールなども違うので、慣れるまでは大変でしょう。

車に強い思い入れがあって、当分帰国はしないという方ならいいですが、そうでないなら海外への車の持ち込みは、あまりおすすめできる方法ではありません。

海外赴任前に国内で売却する

国内で車を売却してから海外赴任するという選択肢もあります。

売却してしまえば、自動車税や保険料などの維持費を支払う必要もありません。また、車の保管や管理などの心配もなくなります。

ただ、出国までに車を売却してしまわなければならないので、赴任までに時間があまりない方だと焦るかもしれません。

赴任先で車が必要なら、現地でレンタルもしくは購入することも可能です。

帰国したらまた新しく車を調達する必要はありますが、いつ帰国するか分からない、海外赴任が長期になるという場合は、売却したほうが安心でしょう。

売却することのメリットは大きい

売却することのメリットは大きい
海外赴任が決まり、車の扱いをどうするか考えた時に、出国前に売却してしまったほうがメリットが大きいとされています。

車は乗らなくも所有しているだけで、税金や保険料などの維持費がかかるものです。また、所有者が直接車を管理できないので、管理してくれる人を探したり、駐車場を契約したりとさらに費用が発生します。

出国までは手続きなどで慌ただしいですが、きちんと車を処分しておくことで新たな気持ちで海外赴任に向かうこともできるでしょう。

帰国後は、またライフスタイルや住む場所にマッチした車を選ぶことができるというメリットもあります。

ここからは、それぞれのメリットについて詳しく説明します。

車を所有するだけでも維持費が必要

日本に車を残して海外赴任することも可能ですが、車は乗らなくても所有しているだけで維持費がかかってしまいます。

自動車税(種別割)や軽自動車税は、毎年4月1日時点での車の所有者に課税されることになっています。運転していなくても納税義務が生じるので、海外赴任中も税金を納め続けなければなりません。

また、車はエンジンをかけて走らせないと、部品が経年劣化して故障するリスクもあります。

公道を走行させるとなると車検を受けなければならず、車検代や自賠責保険料などもかかってくることになるでしょう。

車は年月の経過と共に価値が落ちる

車は年月が経過するにつれて、中古車市場での価格も下落していきます。

海外赴任前に人気の新車であっても、海外にいる間に年式が落ち、帰国後に売却しようと思っても安くなってしまう可能性が高いです。

状態が良くてもモデルチェンジが行われると、旧モデル車は必然的に価値が下がるので、海外赴任前に早めに売却してしまったほうがお得だと言えるでしょう。

人に使ってもらうと事故などのリスクが高まる

海外赴任中に友人などに車を貸して乗ってもらえば、自分がいなくてもエンジンを動かして走らせてもらうことができるので、故障のリスクは軽減されます。

しかし、車を運転している以上、交通事故を起こすもしくは巻き込まれる可能性は十分あります。

任意の自動車保険に加入していれば、車に損害を受けても修理は可能です。しかし、「修復歴あり」となると、今度は売却するときに査定額に影響が出ることも考えられます。また、損傷がひどいと廃車になってしまうリスクもあります。

保管状況によっては故障するリスクもある

日本に車を残していく場合、海外赴任中に車の状態を自分で確認することができません。誰も乗らずに駐車場に置いたままにすると、保管状況によってはエンジンだけではなく外装も劣化してしまう可能性が高いです。

知らないうちに盗難に遭ったり、いたずらなどで傷がついたりするリスクもあります。「車は大丈夫だろうか…?」と、海外赴任中も心配しなければなりません。

その点、海外赴任前に車を売却してしまえば、心配ごとも一つ減るので海外生活も心の余裕を持って送ることができるでしょう。

海外赴任の任期が伸びる可能性もある

海外赴任の任期が短期間と決まっていても、滞在中に延長になる可能性も出てきます。逆に長期のはずが、思いがけず短期間で帰国できる場合もあるでしょう。

例えば、車を人に貸していた場合、滞在期間が延びるもしくは短縮されることで車の扱いをどうするか、再度話し合って決めなければならなくなります。

滞在期間の関係で「車を長期間使ってほしい」もしくは「帰国するので返却してほしい」と思うかもしれません。

しかし、それでは貸した相手の都合が悪い場合もあり、揉めごとに発展する可能性もあります。

車の売却代金が資金になる

海外での生活となると、日用品の購入や輸送費などで何かと費用がかかるものです。会社から費用が出るにしても、それで十分とは言えない場合も多いでしょう。

愛車を売却すれば、手早く現金が手に入ります。年式が新しく走行距離も少ない、人気の車種ならば高額査定も期待できます。

また、よほど古い車でなければ廃車もしくは査定額が0円ということもないでしょう。

車の売却で得たお金は、海外生活の資金として使えるというメリットがあります。

海外赴任前の車の売却手順

海外赴任前の車の売却手順
車を売却するには、手順がありますので、知っておくといいでしょう。

まず複数の買取業者から見積もりを取るところから始めましょう。さらにそこから実際に車を査定してもらう業者を3社ほど選んで、査定の予約をします。

実車査定が済んだら、査定額などを比較しながら最終的な売却先を決めます。

ネットなどで愛車の相場を調べておくと、査定額の目安を確認することが可能です。

業者選びを行いながら、売却に必要な書類を揃えておくことで売買契約がスムーズに進みます。

後は車を引き渡して、売却代金の入金を確認すれば手続きは終了となります。

ここからは、これらの売却手順について詳しく説明していきます。

1.査定の見積もりをとる

せっかく車を売却するので、できれば高く売りたいという方も多いでしょう。

車買取業者は始めから1社に絞らずに、複数の業者にまずは見積もりを出してもらうことをおすすめします。ネットからでも簡単な査定は申し込めます。

今の愛車の中古車としての相場も把握しておくと、見積額と比較できるので便利です。

複数の業者から見積もりが出たら金額を比較してみてください。

2.実車査定をしてもらう

複数の買取業者に依頼した見積もりのうち、金額の高いところを3社ほどピックアップします。

そして、実際に車を見てもらって最終的な金額を出してもらうために実査査定を申し込みます。

実車査定は自宅まで査定員が来てくれる「出張査定」と、店舗に車を持ち込んでみてもらう「店舗査定」が選べる場合が多いです。

時間がない場合は、直接店舗に車を持ち込めば、多少待たされることはあるかもしれませんが、その日に査定をやってもらえるでしょう。

3.売却先を決めて必要書類の準備

実車査定をすべて終えたら、査定額や買取業者の実績、査定員の対応の仕方などをトータルで考えて最終的な売却先を決めましょう。

また、業者選びと並行して、車の売却に必要な書類の準備もやっておくと効率的です。

必要書類は、以下になります。

普通車を売却する場合
  • 車検証
  • 自賠責保険証明書
  • 自動車税納税証明書
  • リサイクル券
  • 実印
  • 印鑑証明書 など
軽自動車を売却する場合
  • 車検証
  • 自賠責保険証明書
  • 自動車税納税証明書
  • リサイクル券
  • 認印 など

引っ越しを経験していて車検証記載の住所と現住所が違う場合は、住民票や戸籍の附票が必要になります。

書類の発行に加え、もし書類の紛失をしていた場合は再発行にも期間を要するので、早めに準備しておくことをおすすめします。

4.車の引き渡しと売却代金の振込確認

売買契約を結んだら、後は車の引き渡し日を決めます。それまでに、車内に置き忘れがないか確認しておきましょう。

また、カーナビやドライレコーダーを付つけたまま売却する場合は、データの消し忘れがよくあるので必ず消去してください。

車の引き渡しが済めば、売却代金が振り込まれるのを待ちます。振込日に入金が確認できれば車の売却は完了となります。

海外赴任前に車を売却する際の注意点

海外赴任前に車を売却する際の注意点
海外赴任前に車の売却手続きを完了させるには、出国までの期間を逆算して売却の手順を進めていく必要があります。

あまり期日がないと焦ってしまい、買取業者を十分に検討しないで売却し、損する可能性もあるので注意してください。

また、売却して車を引き渡してから出国までに期間が空いてしまったら、車がないと移動手段に困ります。足が確保できるようにあらかじめ準備しておくことをおすすめします。

そして、売却手続きに気を取られていると、任意の自動車保険の手続きを忘れることがあります。解約もしくは中断の手続きも早めにやっておきましょう。

ここからは、これらの注意点について詳しく説明します。

ある程度時間に余裕をもって売却を行う

海外赴任が正式に決まり、赴任前に車を売却するとなったら早めに準備に取り掛かることをおすすめします。

車の売却には平均1~2週間はかかります。急いでも数日は必要となるので、スケジュールによっては間に合わないかもしれません。

出国日が先なら余裕を持って進められますが、1ヶ月以内に迫っている場合は少し急いだほうが良いでしょう。

書類が揃えば売却自体は1日で終わりますが、「買取業者を探す」「書類の紛失による再発行」「書類に不備がある」という場合は、思いがけず時間を要する可能性があります。

不測の事態に備えて、出国までの期間を逆算して売却計画を立てるようにしましょう。

任意の自動車保険の手続きを忘れないようにする

車の売却ばかりに気を取られていると、任意の自動車保険の手続きを忘れてしまうことがあります。

車がないのに自動車保険に加入したままだと保険料を無駄に支払うことになってしまいます。

任意の自動車保険に関しては、期限が決まっておらず海外に移住するなら「解約手続き」でも問題ないでしょう。

いずれ日本に戻り、車を所有して運転したいという場合は「中断手続き」がおすすめです。

任意の自動車保険は「等級」によって保険料が増減します。等級は、無事故もしくは軽微な事故でも保険を使わないと上がっていきます。等級が上がるということは保険料も安くなるのです。

中断手続きをすると、その等級を最大で10年間維持することができます。

もし解約手続きをしてしまうと、基本の6等級からスタートすることになってしまいます。そのため、等級が6以上の方は中断手続きを取っておいたほうがいいでしょう。

車の売却後も出国までの車を確保しておく

「海外赴任までにまだ期間があるけれど、早めに売却できた!」というケースもあるでしょう。

その場合、出国前に車を引き渡してしまうと、普段車を使っていたのに、もう手元になくなってしまうため、出国までの移動手段に困るという方もいるかもしれません。

そういった場合は、買取業者に相談して、車の引き渡し日を出国日の少し前にしてもらうという手もあります。

また、出国日までの足として代車を利用できるかもしれないので、買取業者に確認しておいたほうがいいでしょう。無料の場合もありますが、日割り計算で1日いくらと値段が設定されていることもあります。

また、必要に応じてレンタカーを使うという手もあります。

海外赴任後でも車の売却は可能

海外赴任後でも車の売却は可能
「どうしても間に合わなくて、海外赴任前に車を売却できなかった…」という方もいるかもしれません。

それでも車を売却したいという場合は、出国後でも売却手続きは可能です。

売却の流れは、海外赴任前に車を売却する際とほぼ同じですが、必要な書類が違ってきます。

住民票が国内に残っている場合は海外赴任前と必要な書類は同じですが、住民票が残っていない場合は印鑑証明書が発行できないので、その代わりとなる「署名証明書」が必要になります。署名証明書とは、本人のサインと拇印を大使館が証明する書類です。赴任先の日本大使館や日本総領事館で発行してもらうことになります。

さらに、「住民票の除票」も必要です。住民票の除票は、海外赴任直前の住所地を管轄する役所で取得できます。

売却に関する細かなやり取りは海外からでは難しいので、できれば国内の家族などに依頼しておくと安心でしょう。

また、海外赴任中の車の売却を専門に行う業者もあるので、利用することを検討しましょう。

できれば海外赴任前の売却が望ましい

海外赴任が決まり車を売却したいと思うなら、できれば出国前までに済ませておいたほうがメリットも多く、安心できます。

自分で買取業者を探して必要書類を準備し、査定額にも納得した上で売却できます。また、売却代金の確認もできる上に海外赴任前の資金として使うことも可能です。

まとめ

①海外赴任中の車の扱い方は「国内で保管する」「人に貸す」「売却する」「海外へ持ち込む」という選択肢がある
②海外赴任前に車を売却すれば「維持費が不要になる」「保管による損傷や故障のリスクがない」などのメリットがある
③海外赴任前に車を売却するなら「時間に余裕を持つ」「引き渡し後の足を確保する」などの注意点もある
④海外赴任後の車の売却も可能ですが、書類が増えたりすることがあるので、出国前に売却したほうが良い
※本記事は公開時点の情報のため最新と異なる場合があります。
カータル編集部
カータル編集部
この記事は中古車の売却、査定などについての知識が豊富な私たちが執筆しています。車を少しでも高く売るコツや必要な書類、手続きに関する疑問や質問にお答えしています。

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