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車を買取り査定に出す際、車両本体だけではなく、付属品なども査定額に影響することがあります。その代表的なものとして「カーナビ」「ETC車載器」「ドライブレコーダー」が挙げられます。
特に標準装備されるようになったカーナビは、プラス査定になるのか売却の時に不安になる方もいるかもしれません。
この記事では、車の買取り査定におけるカーナビの影響について、種類や売却方法も含めて詳しく解説していきます。また、付属品としてカーナビ以外にも気になる、ETC車載器の査定額についても触れていきます。
カーナビは買取り査定に影響するのか?
近年はカーナビが標準装備になってきていますが、以前はカーナビが搭載されておらず、希少価値が高かったため、売却時の査定はプラスになるケースが多くありました。
今では標準装備されているカーナビだけでなく、スマホをカーナビとして利用する頻度も高まっており、需要も飽和状態になっています。そのため、最近の中古車市場では、カーナビが搭載されているかで大幅なプラス査定は見込めない状況です。
ただし、最新であり、高性能で高品質のカーナビであれば、好条件の買取額を算出してもらえる可能性があります。それに対して、古い年式のカーナビだと、査定額に大きく影響を受けることは少ないと言えます。
カーナビの性能によって査定額が左右されることは、知っておくと良いでしょう。
カーナビは種類によって査定額が異なる
カーナビは種類が豊富で、状況によっては買取査定に影響を受ける場合があります。
メーカーの純正ナビやディーラーオプション、社外品や外付け品など、自分の車に搭載されているナビによって価格も変動します。ここからは、カーナビの種類がどのようなものがあるのか、特徴も含めて詳しく解説していきます。
純正ナビ(メーカーオプションナビ)とは、その車専用として開発されているナビのことです。個々の車種に合わせて設計の段階から取り込まれて製造されているので、車にしっかりフィットするようになっています。そのため、車のオーディオスペースに綺麗に納まりますし、車内のインテリアに合った統一感がデザインやカラーにも現れてきます。
また、近年のナビはタッチパネルのみならず、ステアリングについているスイッチを組み合わせ、ハンドルから手を放さずにナビを操作できるものもあります。そのため、車のシステムと一体化したナビが組み込まれているので、使い勝手の良さが魅力です。
また、自動車メーカーが提供していることもあって、3年もしくは60,000kmといった保証期間があるので、安心して利用できるメリットもあります。ただし、純正ナビはメーカーが製造途中に取り付けるので、納車後の後付けができないことに注意が必要です。
ディーラーオプションのナビは、新車を受注した時にメーカーで設置する純正ナビとは異なり、販売店で取り付けを行うものです。
メリットとしては、ディーラーオプションなので車内の備品と同じように、値引きや割引の対象になるケースが多い点が挙げられます。そして、保証が純正ナビと同じように長期保証になる傾向があります。
また、拡張性を高くすることが可能です。メーカーオプションの、ステアリングスイッチやバックモニターと連動することができます。
しかし、ディーラーオプションのナビは汎用性のある社外品よりは、価格が高くなる傾向があります。そのため、他の連動性をあまり求めないのであれば、社外品を利用して価格を抑えることも検討すると良いでしょう。
社外品や外付け品は、カー用品店等で車の納車後に取り付けたカーナビのことです。もちろん最新モデルや多機能であれば、査定額も高くなります。
社外品のメリットとして、純正ナビよりも価格が安く、自分のニーズに応じて選択幅が広い点です。例えば後付けでカーナビを装着する際に、オンダッシュ型とインダッシュ型の2タイプがあります。
オンダッシュ型とは、ダッシュボードの上に取り付けるタイプで、自分で取り付けが可能です。そして取り外しも簡単なため、カーリースやレンタカーを利用する方や手軽にカーナビを利用する目的であれば重宝します。しかし、機能性はインダッシュ型に比べて劣るケースが多く、設置場所によっては視界が妨げられることがデメリットです。
インダッシュ型とは、ダッシュボード内に埋め込むタイプで、カーオーディオと一体型になっている製品が多数あります。機能性に優れており、スマホやDVD再生と連動する製品もあります。埋め込み式なので、視界の妨げになることもなく見た目がスッキリしている点はメリットです。
社外品は純正ナビとは異なり、古いタイプの外付けナビだと中古市場においてはあまり評価されることはありません。そのため、取り外しをしてもしなくても大幅に査定額に影響を受けることが少ないので、状況に応じて対処することが大切です。
車買取業者が査定額を算出する際は、JAAI(一般財団法人日本自動車査定協会)の基準を利用します。
JAAIの詳細を確認すると、カーナビがついている場合、30,000〜50,000円ほどプラス査定となります。
しかし、実際に査定する際はカーナビの年式と高性能であるかが重要です。特にナビが古い状態であれば、道路が変更していたり追加されていたりするケースもあります。そのため、最新の道路情報であれば重宝される可能性が高いと言えます。
年式が新しく高性能、そして人気のあるカーナビだと査定額も引き上がる可能性が高いでしょう。古いモデルのカーナビだとプラス査定になることが低い点は、知っておくことが大事です。
カーナビを売却する際の注意点
車に装着されたカーナビを売却する際に、注意する点は何があるのでしょう?
それほど査定額がつかない古いタイプのカーナビだと、あまり気をつける点はないと思うかもしれません。しかし、カーナビには様々なデータが入っているため、注意する必要があります。
買取業者が気付いて消去してくれれば良いのですが、入っている情報が消去されずにそのまま再販売される可能性もあります。そのため、第三者に引き継がれることを考えると事前準備が大切です。
ここからは、カーナビを売却する際の注意点について詳しく解説していきます。
1つ目は、個人情報の消去です。カーナビには自宅の登録や友人・知人・親戚の住所や電話番号、登録地点、住所検索の履歴など多数のデータが残っている場合があります。また、経路履歴も残りますので売却前に削除しておくことが重要です。
実際、カーナビの初期化は義務ではないため、残された個人情報は自分で守る必要があります。具体的には、カーナビを売却して再購入された第三者に自宅情報や友人知人の情報も知られることになります。自分だけではなく、大切な人にも迷惑をかけたり犯罪に巻き込まれたりする可能性も否定できません。
このように第三者に渡り、悪用されないためにも自分で完全に削除しておきましょう。
2つ目は、音楽や画像データの削除です。カーナビにはHDDタイプがあり、大量の音楽や画像データを保存できるようになっています。ただし、個人的に楽しむ以外は著作権の問題があるため、そのまま譲渡や売却することは著作権保護法により禁止されています。このようなデータも個人情報と同様、事前に消去しておくと良いでしょう。
また、カーナビのHDDに入っている音楽データを移動させることは、個人で楽しむ場合であっても著作権に反する行為になります。実際にHDDからの移行はできないと考えておきましょう。
カーナビにSDスロットが搭載されており、SDカードや外部メモリに音楽を取り入れている場合は、録音データがSDカードに入っているので問題ありません。
3つ目は、取り外しが不安な場合は個人で行わず、専門業者に依頼することです。特に車と一体型のカーナビについては配線も複雑になっており、取り外しに関しては専門知識が必要になってきます。
無理をして個人で外そうとすると、配線を切ってしまう可能性も考えられます。そのような状況になると、正常に作動しなくなったり査定額の減額になったりする恐れがあるので、無理に取り外さないのが賢明です。
しかし、どうしても取り外したい場合は、専門業者に依頼しましょう。業者に依頼する時の金額の目安は、簡単に脱着可能なナビで5,000円~10,000円程度、難度の高い取り付けや取り外しが必要なナビは8,000円~10,000円程度かかります。
取り外しの工賃をかけても買取額が高くつくのであれば良いですが、工賃よりも低い査定額であれば、そのまま査定に出したほうが得策です。
4つ目は、個人で取り外す時はキズをつけないようにすることです。専門業者に依頼すれば工賃もかかりますので、自分で行いたいと思うでしょう。自分で外す場合に特に気をつけなければいけないのは、バッテリーのマイナス端子を外すということです。
外さないで作業を行うと電気機器のトラブルや火災に繋がる恐れもあります。電気系統を作業する際にバッテリーのマイナス端子を外すのは基本ですので忘れないようにしましょう。
また、ネジの取り扱いにも注意が必要です。固定をする時に必要なネジが車内側に落ちてしまうと、探すのが大変になることもあります。ネジは小さいものなので慎重に扱うことがポイントです。
さらに、取り外しによって内装を傷つけたりすれば、査定額の減額は避けられません。キズがつかないようにするためにも養成テープや布などで覆ってから作業すると安心です。
このように、個人で取り外す時には注意する点が多くあります。特別な事情がないのであれば、カーナビをつけたまま売却することが賢明です。
取り外さないで売却したほうがいいカーナビとは?
一番取り外さないほうが良いカーナビ「純正のカーナビ」です。
前述した通り、純正のカーナビは車に合わせて設計されているため、他の車種で合うことは稀です。取り外して売却をしても他の車で使用することが難しいので、車に搭載した状態で売却するのが良いでしょう。
また、年式が古いカーナビを取り外しても価格がつかないこと、取り外し費用のほうが高くなることが多いため、そのままで売却するのが無難です。
カーナビの査定基準は?
カーナビの査定基準は、JAAIの中古車査定基準及び細則で決められています。
ポイントは「カーナビの種類」と「何年落ちか」ということです。基本的にインダッシュ型のHDDかメモリータイプだと加点方式で査定されます。
加点数は以下の通りです。
経過年数 | 加点数 |
---|---|
当年~1年 | 80点 |
2年~3年 | 60点 |
4年~5年 | 40点 |
6年~ | 20点 |
経過年数 | 加点数 |
---|---|
当年~1年 | 40点 |
2年~3年 | 30点 |
4年~5年 | 20点 |
6年~ | 10点 |
※取扱説明書の欠品は3点の減点となります。
つまり、インダッシュ型のHDDで6年以上使用しているナビであっても20点の加点になるので、約20,000円のプラス査定になります。ただし、取扱説明書を紛失している時には3点の減点ですので、約3,000円のマイナス査定です。
車の査定基準の備考欄におけるカーナビの留意点は、市場価格の変動幅が大きいので、最新の情報を公開すると明言しています。
カーナビ以外で気になるETC車載器の買取り査定について
今まではカーナビについて解説してきましたが、それ以外のオプション品として挙げられるのは、ETC車載器です。高速道路で活躍するETC車載器は、スムーズに走行するために利用価値の高いものです。
カーナビはプラス査定になるケースもあることを説明してきましたが、ETC車載器の買い取りがどのようになっているか気になる方もいるでしょう。ここからは、ETC車載器の査定について詳しく解説していきます。
国土交通省が発表している2021年のETC利用状況は、90%に達しているとされています。
90%だと、ほとんどの車に搭載されると言えるでしょう。そのため、ETC車載器の買取相場は業者にもよりますが、数百円から数千円程度になっています。
機能性が高く、新しい型式であれば、高価買取が期待できます。その一方で、年式も古く機能が少ない状態の場合、単品で売却すると取り外し費用よりも低く査定されるケースが多いです。
ETC車載器の買取相場は、取り外しをしないで査定に出したとしても、買取業者の査定額がアップする可能性は低いでしょう。
理由としては、ETC車載器の値段の安さが影響しています。そのため、故障している場合であっても、そのまま査定に出すことをおすすめします。
もしETCが新しく、機能性が高いという場合には、取り外しを検討すると良いでしょう。
ETC2.0とは、2016年から国土交通省も推進している、ETCの新しい規格です。従来のETCに比べて多くのメリットがあります。料金収受システムはもちろんのこと、渋滞時の迂回ルートや安全運転のサポート、災害時の誘導などもできるサービスです。
具体的には、ETC2.0の利用で一部の有料道路が割引されます。例えば、圏央道の通行料金は2割引になります。
また、ETC2.0のITSスポットはデータを多く送信できるため、従来の渋滞情報システムよりリアルタイムに配信することが可能です。国土交通省が理想とする多種多様な道路状況をタイムリーに提供し、安定した運転を行えるようにする意図が組み込まれています。
今後はETC2.0にスライドしていくことが予想されます。ETC車載器の購入を検討しているなら、ETC2.0を利用するのがおすすめです。