車の査定についての疑問

走行距離10万キロの車の買取り査定額はどうなる?売却のコツとは?

車を買い取ってもらう際、走行距離も重要な査定基準の一つです。走行距離が長いと、査定額が下がりやすいと言われています。

10万キロを超えた車だと査定額がどの位になるのか、そもそも買い取ってもらえるのか不安だという方も多いでしょう。そこで、10万キロ超えの車の査定額について詳しく解説していきます。

また、売却時に役立つ10万キロの車の買い取りポイントも紹介するので、参考にしてみてください。

車の寿命は昔よりも大幅に伸びている

以前は、走行距離10万キロを超えた車はもはや寿命であり、中古車としての価値がないと考えられていました。そのため、走行距離が10万キロを超えたら、故障するまで乗り潰して廃車にするという選択肢が一般的でした。

自動車メーカーも、走行距離10万キロを超えた車をその後も乗り続けるということは想定外でした。そのため、距離計も万単位まで、それを超えると0に戻るという仕組みになっていました。

しかし、昨今は技術の向上により車の性能が上がり、10万キロを超えた車でも十分走行できるように作られています。車の寿命もひと昔前の10年から伸びて、12年~15年位が一般的になってきています。

10万キロ超えの車は過走行車として扱われることが多い

10万キロ超えの車は過走行車として扱われることが多い
過走行車は明確な定義はありませんが、一般的な走行距離よりも長い距離を走行している車という意味で使われる言葉です。

日本自動車査定協会における査定基準は、中古車買取業者が査定の際に参考にしている基準です。それによると、1年に約1万キロが標準的な走行距離としています。

年式が5年で約5万キロを超えている車だと過走行車となり、査定ではマイナス要素になるということです。

ただし、一般的に10万キロを超える車は、それだけで過走行車として扱われることが多いでしょう。過走行車となれば、売却時の査定額も減額となる可能性は高いと考えられてます。

走行距離10万キロ以上でも車はまだ使える

一般的に車の走行距離は10万キロの大台にのったら、そろそろ買い替えたほうが良いと言われてきました。しかし、昨今は車の製造技術が進歩しており、10万キロを超えてもまだ走行できるように製造されています。

走行距離が長くなると、その分エンジンが酷使されているので部品が劣化、消耗するのは仕方ありません。しかし、全部の部品がすぐにダメになるわけではなく順番に劣化していくので、徐々に部品を交換していけば問題ないとされています。

しっかりメンテナンスをしエンジンの状態が良い車なら、10万キロを超えていても十分走れると言えるでしょう。

10万キロ超えの車でも買取り査定額がつく場合もある

10万キロ超えの車でも買取り査定額がつく場合もある
中古車買取業者が買い取った車は、まず詳しい状態を調べるために自社もしくは提携している整備工場へと回されます。エンジンなどの状態を調べて、必要な場合は部品交換をするなどメンテナンスを受けることになるでしょう。

部品の交換には費用がかかるため、査定時にメンテナンス費用を差し引いた金額を査定額として提示されます。

10万キロ超えの車は、交換部品が多いため、部品自体も高額です。その分が差し引かれると、査定額が安くなってしまいます。しかし、車の状態が良ければ査定額は0円とはならず、多少なりとも現金で戻ってくることもあります。

海外では日本車の人気が高いので、輸出目的での買い取りなら査定額がつくでしょう。

ここからは、10万キロ超えの車でも買取り査定額がつく理由を3つ詳しく説明していきます。

理由①メンテナンスを欠かさず、状態がよければ査定額がつくこともある

走行距離が10万キロ超えの車というと、かなりの距離を走行したことになり、エンジンに多大な負荷がかかっていることになります。しかし、きちんとメンテナンスを行っていれば、負荷による経年劣化は最小限に抑えられていることが多いです。

エンジンの場合は、エンジンオイルの交換を忘れずに定期的に行っていれば、エンジンをスムーズに動かすことができているので劣化度合いもさほどひどくないでしょう。

さらに、洗車やワックスがけ、車内の清掃などをこまめにやっていれば、外装や内装も比較的キレイな状態を保てているはずです。

メンテナンスが行き届き、見た目もキレイな車なら10万キロ超えでも予想以上の査定額が提示されることもあります。

理由②10万キロ超えでも日本車は海外での人気が高い

日本車は海外でもかなり人気が高いことでも有名です。性能が高く、部品の耐久性にも優れており、海外の車よりも故障しにくいとして評価されています。

その上、海外では走行距離の多さはあまり重要視されていません。50万キロを超えた車でも普通に走行しているぐらいなので、走行距離が10万キロの車は問題なく販売されています。

海外は日本よりも車検の基準が低いことが多く、走行すれば良いという感覚の国もあります。

また、もし故障して部品交換が必要でも手に入りやすいというのも人気の理由です。日本は車社会なのでたくさんの方が車を所有しており、比例して廃車される車の台数も多いです。廃車される車は部品を取り外して消耗部分を交換し、リビルト品として再販されます。そのため、交換に必要な部品は比較的簡単に手に入りやすいので、万一故障しても安心できます。

理由③人気車種なら市場での価値があるので買取可能

走行距離が10万キロを超えている車でも、中古車市場で人気のある車種なら買い取ってもらえる可能性が高いです。

それは、スポーツカーや生産数が限られている限定車、グレードの高い車などです。走行用はもちろんですが、それ以外にもコアな車はコレクションしたいという方などに一定の需要があります。

また、新車としても人気車種で、中古車市場での売れ行きがいい車も当てはまります。中古車ではどんな車が人気なのか、事前に調べておくと良いでしょう。

10万キロ超えの車はどんな状態なのか?

10万キロ超えの車はどんな状態なのか?
走行距離が10万キロ以上になると、エンジンに相当な負荷が蓄積されていることになるでしょう。エンジン部品を始め、車のあらゆる箇所の部品が経年劣化を起こし、消耗しています。車の安全性を確保するためにも、走行にかかせない重要な部品の交換が必要な状態になっています。

きちんとメンテナンスしている車なら劣化や消耗度合いもさほどひどくないでしょう。交換が必要な部品も最小限で済む可能性があります。

ここからは、10万キロ超えの車はどんな状態なのか、売却する場合はどうなるのか詳しく説明していきます。

エンジンに負荷がかかっている

車を走行させる際はエンジン内の多くの部品が連動し、アクセルを踏むことでタイヤを動かしています。エンジン内の部品が激しく上下運動や回転運動などを繰り返すことで、車を動かす力を生み出しているのです。

エンジンを動かす期間が長く回数が多ければ、エンジンに相当な負荷が蓄積されていることになります。走行距離が10万キロを超えてくるとエンジンはかなり酷使されていることになり、故障リスクもおのずと高くなるでしょう。

劣化したパーツが多い

走行距離10万キロを超えた車は、経年劣化や消耗した部品が多く、交換する必要が出てきます。特にエンジン内の数多くの部品が、寿命を迎えるでしょう。

メーカーは主に次の8つの部品交換を推奨しています。

  • 点火やバルブ開閉のタイミングを調整するタイミングベルト
  • ブレーキフルードを他の部品に送るためのブレーキホース
  • 車が路面から受ける衝撃を和らげるスプリングの動きを助けるショックアブソーバー
  • 点火装置であるスパークプラグ
  • エンジンの熱を冷ますためのウォーターポンプ
  • エンジンの温度を制御するサーモスタット
  • エンジンオイルを送り出すオイルポンプ
  • ブレーキ周辺のシール部品

他にもヒビ割れしやすいゴム素材や樹脂費部品なども交換しなければならないでしょう。

メンテナンスで全ての劣化部品を交換するとなると、交換費用もかなりかさむ可能性があります。

メーカー保証期間が切れている

10万キロ以上を走行したため経年劣化し、消耗度合いが激しい部品を全て交換するとなると、高額が費用が発生する可能性が高いです。

交換しなければ、エンジンへの負荷がさらにかかり、どこかの部品が壊れるとエンジンそのものが故障してしまいます。走行中なら重大な交通事故をつながるリスクもあるでしょう。

新車ならば、一定期間メーカー保証がついています。メーカー保証期間内なら条件を満たせば部品の交換も無償か、低価格で行えるはずです。

メーカー保証期間は3年~5年程度であり、走行距離が10万キロを超える位長く乗っていると、保証が切れている可能性もあります。

ただし、年式は新しいけれど、車を長距離で運転することが多いとメーカー保証が切れている場合もあります。車の保証書に記載されている内容をあらかじめ確認しておきましょう。

買取額は安くなってしまう可能性が高い

走行距離が10万キロを超えた車は、色々な部品の交換が必要となる場合が多いです。メンテナンスに費用がかかるので、乗り続けるよりは手放して乗り換えたいという方がほとんどでしょう。そうなると、メンテナンスをする前に乗り換えてしまいたいと考えるものです。

買取業者に車を買い取ってもらう場合であっても、もちろん再販の前にメンテナンスが必要となるので、部品交換の費用は必要です。部品交換費用よりも再販で得られる利益が少ないと見積もれば、査定額がつかないこともあります。

しかし、買取業者は自社もしくは提携している整備工場で、かなり安く部品交換ができるので、買い取ってもらえる可能性もあります。

ただし工賃は安くできても部品代自体は費用がかかってしまうので、そこは査定額から差し引くことになるでしょう。そうなると、同じ条件で走行距離が短い車よりも査定額が安くなってしまう場合が多いです。

パーツに価値がある場合も

車の状態が悪く、再販するのが難しい場合でもまだ使い道はあります。車に使われている部品全てが劣化しているというわけではなく、手入れすれば再販可能な部品もあるでしょう。

車に価値はなくても、価値が残っている部品があるなら取り外して売れるので10万キロ超えの車でも査定額がつくことがあります。その部品は同車種を乗っている方の修理用に、長く乗るための補修用として必要です。

取り外した部品は分解洗浄し、消耗部分を交換して「リビルト品」として再販されます。リビルト品は、ほぼ新品に近い状態ですが、新品よりも格安で購入できるので需要が高く、十分価値があると言えるでしょう。

買取額がつかなくても鉄くずとしての価値がある

車のボディや部品にはゴムや樹脂、ガラスなどの様々な素材が使われていて、中でも大部分を占めているのが「鉄」です。鉄は資材としても価値があります。

まだ再販可能な部品だけを取り外し、残ったボディをスクラップにすれば鉄くずになります。実は、この鉄くずにも値段がつくのです。

車の大きさにもよりますが、一般的に1台の車を鉄くずにすると3万~5万円程の価値があるとされています。

しかもハイブリッドカーはバッテリーにレアメタルという高額な素材が使用されており、最終的な価格が高くなると言われています。

10万キロ超えの車の買取り査定での注意点

10万キロ超えの車の買取り査定での注意点
走行距離が10万キロを超えている車を買い取りに出す際は、業者選びがポイントです。車の状態によっては、国内の中古市場での再販が難しい場合もあるでしょう。

しかし、海外では過走行車であっても日本車の需要が高く、よく売れます。そのため、海外に販路を持つ業者を選ぶと買い取ってくれる可能性が高まります。

さらに、整備記録簿があればメンテナンスの経緯が分かりやすく、買い取ってもらいやすくなるでしょう。

もし買取不可となっても、パーツやスクラップにした際の鉄くずには価値があるので、廃車専門の業者を当たれば、買い取ってもらえることが多いです。

ここからは、10万キロ超えの車を買取りに出す際に気を付けるべきポイントについて5つ紹介していきます。

①海外に輸出している業者を選ぶと売れやすい

走行距離が10万キロを超える車は、人気の車種や限定車などであれば国内の中古車市場でも需要があります。しかし、国内で需要が少ない車でも海外での日本車人気は高いので、輸出されるケースが多いです。

国内市場での再販が難しいなら、海外に輸出してもらう形をとれば売却が可能です。そのため、中古車買取業者でも、海外に販路を持つ業者を選ぶと買い取ってもらいやすいです。

特に東南アジアなどの発展途上国では、積極的に日本車が輸入され、需要もかなり高いとされています。大手の買取業者なら、基本的に輸出を目的として買い取っている場合も多いです。

他にも、主に国内ではなく輸出専門に買い取りをしている業者もあるので、ネットなどで探してみましょう。

②複数の買取業者に査定してもらう

少しでも高く車を売るには、やはり選択肢を増やしておくことが大事です。これは10万キロの車に限ったことではなく、一般的に買い取ってもらう場合に共通して言えることです。

1社だけではなく、複数の買取業者に査定を依頼し、査定額を比較します。交渉の際に、他社の査定額などを上手く引き合いに出せば、多少なりとも査定額アップが狙えることもあるでしょう。

よっぽど車の状態が悪くない限り、買い取ってもらえるはずです。人気車種などは買取業者も欲しいはずなので、他社との競争となれば少しでも高く売れる可能性が出てくるかもしれません。

③整備記録簿を準備しておく

外装がキレイで傷や凹みがなくても、10万キロ以上も走行している車なら部品の劣化が見られるでしょう。エンジンの状態などは見た目では分かりにくいものです。

査定員はプロなので見れば状態を把握できますが、整備記録簿があればよりはっきりしやすくなります。整備記録簿には、オイル交換や法定点検などのメンテナンスに関することが全て記載してあります。

記録があれば、きちんと整備されている証明にもなるので、口頭で伝えるよりも説得力があるでしょう。また、次に購入して乗る方にとっての安心材料にもなります。

そう考えると、整備記録簿がある車はどういったメンテナンスがしてあるか把握できるので、買い取ってもらいやすいと言えます。

④走行距離以外の魅力をアピールする

走行距離はもう変えられないので、他の部分で査定額アップにつながる魅力をアピールすれば、査定額がアップするかもしれません。

年式が新しい、人気のボディカラーならば査定額の減額が避けられる可能性があります。

さらに、カスタマイズしている車であれば、始めに装備されていた純正パーツを準備しておくと有利です。

また、車内を清掃してゴミや埃を除去し、シートを拭いてキレイな状態にしておきましょう。洗車してワックスをかけておくと、丁寧に扱って大事に乗っていたという印象を与えることもできます。

他にも車検が切れそうならば、有効期限内に売ってしまえば査定額減額が避けられる可能性があります。

買取不可なら廃車専門業者を探す

10万キロ以上の走行距離の車であっても、中古車市場で人気の車種であったり車の状態が良かったりと条件が整えば、査定額がつくこともあります。

ただし、0円もしくはマイナスになる場合もあるでしょう。そういった場合も諦めないで廃車専門の業者を探してみてください。パーツを外して売却する、スクラップにして鉄くずとして売却するなど利益となる手段を持っています。

車そのものの価値がなくても、多少なりとも売却金を受け取れる可能性はあるので、諦めずに動きましょう。

まとめ

①走行距離が10万キロの車でも、人気車種やメンテナンスが行き届いた車なら買い取り可能となることがある
②10万キロの車は、エンジンを酷使しており主要部品の交換が必要となり、査定額が安くなる場合が多い
③10万キロの車を売却するには、海外に販路を持つ販売店を探すと査定額が上がる場合もある
④査定額が0円でも、パーツや鉄くずに価値があるので廃車専門の買取業者なら買い取ってもらえる可能性もある
※本記事は公開時点の情報のため最新と異なる場合があります。
カータル編集部
カータル編集部
この記事は中古車の売却、査定などについての知識が豊富な私たちが執筆しています。車を少しでも高く売るコツや必要な書類、手続きに関する疑問や質問にお答えしています。

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