車の売却についての疑問

旧姓のままでも車は売却できる?そのメリットと方法を詳しく解説

結婚を機に「姓」が変わると、様々なところで変更の手続きをする必要が出てきます。

例えば、運転免許証、郵便物、銀行の通帳などです。そして、その一つに「車検証の名義」があります。

運転免許証などは、変更しなければ直接生活に関わってくるので、ほとんどの方がすぐに変更していることでしょう。しかし、車検証の名義は変更しなくてもすぐに影響が出ないので、変更するのを後回しにしているケースがあります。

今回は、そのような旧姓のままの車でも売却できるのか?また、その時に必要になる書類はどんなものか?などを詳しく紹介していきます。

「旧姓のままの売却」or「旧姓を名義変更してからの売却」どちらが簡単?

車を売却する際、名義が旧姓のままだと売却できないと思っている方もいるかもしれません。

結論から言うと車の売却は旧姓のままでもできます!もちろん、名義を変更してからでも売却は可能です。

では、旧姓のまま売却する場合と名義変更してから売却する場合、どちらが簡単に手続きできるのでしょう?

ここでは、旧姓のまま売却する場合と名義変更してから売却する場合の違いを確認していきます。

旧姓のまま車を売却する際の手順

旧姓のまま車を売却する際の手順
旧姓のまま車を売却する際、まずはその手続きに必要になる書類を市区町村役場などで取得しなければなりません。

注意点としては、車の名義が異なるため、名義が同じケースよりも必要書類が多くなることがあげられます。

転居を何回かしている場合や必要書類を紛失している場合は、さらに手間が増えますが、書類を準備すれば後は簡単です。

用意できた書類一式と車を売却する業者に引き渡せば完了となります。

旧姓を名義変更してから車を売却する際の手順

旧姓を名義変更してから車を売却する際の手順
売却前に名義変更する場合は、まず名義変更に必要な書類を準備します。そして名義変更が完了した後、売却の書類を準備して車を引き渡すという2段階の工程です。

この時、自分で名義変更をする場合とディーラーに依頼する場合とでは手続きが異なってきます。また、車が普通車なのか軽自動車なのか、住所は変わっていないか変更したのかによっても違いがあります。

車を売却したい方の状況によって様々なパターンが考えられますが、ここでは分かりやすくするために以下の条件で考えていきます。

  • 名義変更は自分でする
  • 売却するのは普通車
  • 住所は変更済み

これらの条件をもとに名義変更してから売却する流れを説明していきます。

1.名義変更には車庫証明の取得が必要

車を売却する前に名義変更をする場合は、まず名義変更のために車庫証明を取得しなければなりません。

そもそも車庫証明とは、自動車を保管する場所があるかを証明する書類です。ナンバーを取得している自動車を所有する場合は、新車・中古車関係なく必要となります。

それでは、車庫証明の取得方法を見ていきましょう。

車庫証明の申請書類を作成する

まずは、警察署の車庫証明担当窓口に行き、申請するための書類一式をもらいます。窓口は交通課などが担当になっていることが多いです。

書類作成する際、車を自分の所有する土地に保管しているなら手続きもスムーズですが、駐車場を借りている場合は、自動車保管場所使用承諾証明書に駐車場の管理会社や地主の署名捺印が必要になります。

また、駐車場の管理会社や地主が自動車保管場所使用承諾証明書を発行する場合は、数千円〜10,000円程度の発行手数料を請求されるケースが多いです。このような手数料がかかることも覚えておくと良いでしょう。

車庫証明を提出する

車庫証明の申請書類の作成ができたら、窓口に提出しましょう。

この時、すぐに車庫証明が交付されることはありません。交付されるまでは、3日~1週間程度かかるので、後日もう一度窓口に取りに行く必要があります。

ここでの注意ポイントは、車庫証明の交付日から1ヶ月以内に名義変更を行わなければならないという点です。1ヶ月を過ぎてしまうと、また始めから車庫証明の手続きをやり直さなければいけなくなるので気を付けてください。

2.名義変更に必要な書類を取得する

名義変更に必要な書類は2つあります。それは、戸籍全部事項証明(戸籍謄本)と住民票です。

住民票は「現住所のもの」と「車検証の住所が記載されているもの」の両方が必要となります。

引っ越しが1回であれば住民票で追うことができますが、2回以上の引っ越しをしている場合は、戸籍の附票も必要となります。

3.名義変更手続きを行う

名義変更は、管轄の運輸支局や自動車検査登録事務所で行います。

持っていく書類は以下になります。

  • 車検証
  • 車庫証明
  • 戸籍全部事項証明
  • 住民票
  • 現在の姓の印鑑

500円ほど費用もかかるので現金も持参してください。

また、旧住所が県外の場合や転居先が運輸支局の管轄の異なる市区町村だった場合は、ナンバープレートの変更も必要になり2,000円ほどの手数料がかかります。

ここまで終われば、名義変更は完了となります。

4. 車の売却に必要な書類を取得する

名義変更が完了したら、次は売却に必要になる書類を準備します。それは、印鑑証明書です。

印鑑証明書は、現居住地の市町村役場で取得できます。

5.名義変更完了!やっと売却!

最後に、必要書類と車を売却する業者に引き渡して終了です。

自分で名義変更をしてから売却するとなると、警察署、市区町村役場、陸運支局などいろいろな場所へ行かなければならず大変です。

手続きをディーラーにお願いするという方法もありますが、その場合は代行手数料が発生してきます。

旧姓でも売却できるのに、手放してしまう車にわざわざお金をかけて名義変更をする必要はないと言えるでしょう。

名義変更をしてからの売却は手間とお金がかかるので、旧姓のまま売却することをおすすめします。

旧姓のまま車を売却する際に必要なもの

名義変更してから売却するよりも、旧姓のまま売却をするほうが簡単だということが分かりました。

それでは次に、旧姓のまま車を売却する際に必要なものを説明していきます。

旧姓のまま売却する際、普通車と軽自動車では必要書類が異なってきます。どんな違いがあるのか、まずは普通車から見ていきましょう。

普通車を売却する場合に必要なもの

普通車を売却する場合に必要なもの
旧姓のままの普通車を売却するのに必要な書類は、以下になります。

  • 車検証
  • 自賠責保険証明書
  • 自動車リサイクル券
  • 自動車税納税証明書
  • 実印
  • 印鑑証明書
  • 委任状
  • 譲渡証明書
  • 戸籍全部事項証明書

なかなか聞きなれない書類も出てきますので、一つ一つどのような書類なのか説明していきます。

車検証

車検証とは、正しくは「自動車検査証」といいます。車が保安基準に適合しているかどうかを証明する書類になります。

購入時に受け取るもので、車検の際は新たに更新したものが付与されます。

車検証は自動車を使用する時には必ず携帯しておく必要があるので、通常は車のグローブボックスの中などに保管されていることが多いです。もし車の走行時に携帯していない場合は、最大50万円の罰金が科せられます。

万が一紛失した場合は、再交付の手続きが必要となります。手続きする場所は普通車と軽自動車では異なります。

普通車の場合

使用者の住所地を管轄する運輸支局または自動車検査登録事務所の窓口

軽自動車の場合

使用者の住所地を管轄する軽自動車検査協会の事務所の窓口

自賠責保険証明書

自賠責保険とは、交通事故などによる被害者を救うために、加害者が支払う金額を補てんするものです。対人賠償をスムーズに行うことを目的としており、原動機付自転車(原付)を含む全ての自動車に加入が義務付けられています。

自賠責保険は人身事故のみが補償の対象になります。そのため、事故の相手方の車などに損害を与えた場合や運転者自身がケガをした場合、自分の車が壊れた場合などは補償されません。

自賠責保険証明書とは、この自賠責保険にきちんと入っているという証明書のことになります。

自賠責保険証明書も、車検証と一緒にグローブボックスに入れていることが多いです。

どうしても見当たらない場合は、保険代理店や車を購入したディーラーに連絡をして、再発行してもらいましょう。なお、申請には1ヶ月程度かかるので早めに手続きを行うことをおすすめします。

自動車リサイクル券

リサイクル券とは、法律で定められた通りにリサイクル料金を支払っているかどうか証明するものです。

リサイクル券は車を売却する際、リサイクル料金をいくら支払ったのか預託金を知るために必要となります。

もし紛失したとしても、インターネットなどで預託金を調べることは可能です。

自動車税納税証明書

自動車税納税証明書とは、自動車税を正しく納税しているかどうか確認するためのものです。

毎年5月頃に、管轄の自動車税事務所などから自動車税納税通知書と一緒に送られてきます。

コンビニなどで自動車税納税通知書を使って支払った時に渡される半券が自動車税納税証明書になります。大きさはスマホよりもやや小さめなので、紛失しないように注意しましょう。

車検証や自賠責保険証明書、リサイクル券などと一緒にまとめてグローブボックスに収納しておくのがおすすめです。

1年分をまとめて前払いしているので、売却時に未経過分が生じると返還してもらえます。

実印

実印とは、現住所がある市町村役場にあらかじめ登録しているハンコのことを言います。ハンコの中では最も重要で、法律上・社会上の権利・義務の発生を伴います。

具体的には公正証書の作成や金銭その他貸借証書、契約書、不動産取引などで使用します。そのため、姓のみより姓と名どちらも入っている実印のほうが安全です。

100均で売っているようなハンコでも、市町村役場に登録すれば実印となります。しかし、そのような安価なハンコは機械で大量生産されているため、公的な書類に実印として使用するのは危険です。

実印を使用する際の注意ポイント

「姓」が変わっても住民票の移動がなく、実印が氏名のみの登録であれば継続して使用できます。

しかし、登録している実印が姓のみの場合や、姓と名どちらも入っている場合は使用できません。

また、実印は名だけでも住民票の移動がある場合も同様に効力は無効となります。該当する場合は古い実印の登録を廃止して、新たに実印を登録しましょう。

印鑑証明書

印鑑証明書とは、車検証に記載されている氏名や契約書にある実印が、売却を行う本人と同一であることを確認するために必要です。

印鑑証明書を取得するには、実印を登録した際に発行される印鑑登録証を市区町村役場に持参します。

郵送での手続きはできませんが、代理人が取得することも可能です。

また、マイナンバーカードを持っていれば、コンビニでも簡単に取得することができます。

印鑑登録の方法

印鑑登録は、現住所の市区町村役場で行います。持っていくものは以下になります。

  • 登録する印鑑
  • 写真入り本人確認書類(運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど)

印鑑証明書の取得と同様に郵送での登録はできませんが、代理人に依頼して登録を行うことはできます。その際は、以下の持ち物が必要です。

  • 登録する印鑑
  • 委任状
  • 代理人の写真入り本人確認書類
  • 代理人の印鑑

印鑑登録は即時登録が可能なので、登録が済み次第すぐに印鑑登録証を発行してもらえます。また、同時に印鑑証明書も発行できます。

委任状

この場合の委任状とは、車の売却に関して、一切の手続きを買取業者に任せ、全て代わりに行ってもらうことを証明するものです。

ほとんどの場合は、買取業者が準備してくれるので、署名や捺印を行うだけです。

譲渡証明書

譲渡証明書とは、自分の車を第三者に譲渡することを証明する書類です。

委任状と同様に、買取業者が準備してくれることがほとんどです。書類の内容をしっかり読んで、同意できたら署名と捺印を行いましょう。

戸籍全部事項証明書

戸籍全部事項証明書とは、戸籍に登録されている全員分の情報が記載されている書類です。どこの役場でもいいわけではなく、本籍地の市区町村役場のみで取得できます。

もし本籍が分からない場合、まずは親御さんに確認してみましょう。その他の方法としては、本籍を入れた住民票を取得することや警察署で運転免許証のICチップのデータを確認するといった方法があげられます。

戸籍全部事項証明書には、氏名、生年月日の他に、婚姻・離婚歴、続柄(血縁関係)、死亡している方がいれば死亡年月日なども記載されます。

本籍地から遠方に住んでいる場合は、郵送で請求することも可能です。受け取るまでに7日~10日程度かかるので、車庫証明を取る前から準備しておいたほうが安全でしょう。

車検証の住所と現住所が異なる場合に追加で必要になるもの

車検証の住所と現住所が違う場合は、さらに追加で以下の書類が必要です。

  • 住民票
  • 住民票の除票
  • 戸籍の附票

このような書類で、今までの住所のつながりを証明する必要が出てきます。

住民票

住民票とは、その市区町村に住んでいるということを証明する書類です。現住所の市区町村役場やコンビニで取得できます。

住民票の除票

住民票の除票とは、他の市区町村へ転出したり死亡などにより住民登録が消除などされたりした住民票のことを言います。

これは、車検証に載っている住所から現在の住所に至るまでのつながりを確認するために必要となります。

現住所になるまでの間に何回か引っ越しをしている場合は、その分の住民票の除票が必要です。

戸籍の附票

戸籍の附票とは、その戸籍が作られてから、(またはその戸籍に入籍してから)現在に至るまで(またはその戸籍から除籍されるまで)の住所が記録されています。

本籍地の市町村において、戸籍の原本と一緒に保管しています。

これも結婚などを機に姓が変わった場合、旧姓の時の戸籍とのつながりを確認するために必要となります。

軽自動車を売却する場合に必要なもの

軽自動車を売却する場合に必要なもの
旧姓のままの軽自動車を売却するのに必要な書類は以下になります。

  • 車検証
  • 自賠責保険証明書
  • 自動車リサイクル券
  • 軽自動車税納税証明書
  • 認印(旧姓のもの)
  • 自動車検査証記入申請書

ここからは、普通車の時には出てこなかった書類について解説していきます。

軽自動車税納税証明書

軽自動車税納税証明書とは、普通車でいう自動車税納税証明書のことです。軽自動車税を納付した時の控えとしてもらう書類で、大きさも自動車税納税証明書と同じく小さいサイズになります。

万が一紛失した場合は、市区町村役場で再交付してもらいましょう。その際は、パスポートや運転免許証などの写真付き本人確認書類と、発行手数料が必要になります。

窓口に行く他、郵送での手続きも可能です。郵送の場合は、申請書と本人確認書類のコピーの他に、返信用封筒(切手を貼って)と手数料分の定額小為替を同封します。

認印(旧姓のもの)

自動車検査証記入申請書に押印するだけなので、実印でなくても大丈夫です。

ただし、旧姓のものが必要になります。その点だけは注意しましょう。

自動車検査証記入申請書

車を手放すということはその車の住所が変更となるため、手続き上、申請が必要となります。

この書類は買取業者が準備することがほとんどなので、用意してもらったものに押印するだけです。

旧姓のままだと買取価格に影響するの?

旧姓のままだと買取価格に影響するの?
ここまで、旧姓のまま車を売却する際に必要な書類を説明してきました。書類を準備さえできれば、旧姓でも簡単に車を売却することが可能です。

旧姓であっても手続き上、書類が少し増える程度なので、買取価格に影響が出ることはありません。

一見、名義変更してから売却したほうが良さそうですが、それは労力とお金がかかるだけです。

旧姓のままの普通車であっても軽自動車であっても、買取価格に影響するのは、車そのものの状態です。

準備する書類が多いことが難点ではありますが、それさえできれば後はすぐに手続きができます。車を綺麗な状態にして、買取業者に引き渡しましょう。

まとめ

①旧姓のままでも車は売却できる
②名義変更してから車を売却することも可能だが、手間とお金がかかる
③旧姓のままだからといって、車の買取価格に影響は出ない
※本記事は公開時点の情報のため最新と異なる場合があります。
カータル編集部
カータル編集部
この記事は中古車の売却、査定などについての知識が豊富な私たちが執筆しています。車を少しでも高く売るコツや必要な書類、手続きに関する疑問や質問にお答えしています。

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