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「次の車の購入代金にあてたいので、なるべく高く買い取ってほしい」「車はどこにお願いすると高く売れるのだろう」など、車の買取り査定を検討中の方であれば考えることでしょう。
車の買取り査定では、少し気をつけるだけで買取金額が高くなることがあります。
この記事では、買取り査定で車を高く売る方法を「準備&コツ編」「交渉編」「お手入れ編」に分けて詳しく解説します。
これから車を売る予定の方は、ぜひ参考にしてください。
車の買取り査定で高く売る方法【準備&コツ編】
車を高く売るには、売却前の準備やちょっとした知識を身につけることが大切です。
ここでは、車の売却の時期などに着目しながら、5つの方法を紹介していきます。
査定前に車の相場を調べておく
1つ目は、査定前に車の相場を調べておくということです。
おおよその金額を知っておけば、明らかに低い査定額を提示された場合にも気づくことができます。
では、具体的にどのような方法があるのか見ていきましょう。
売却価格の目安を知るには、実際の中古車市場での販売価格を調べるのが良いでしょう。
中古車を取り扱っているサイトはたくさんあります。サイトによって手順は変わりますが、売ろうと思っている車種に絞って検索をかけることで、同じ車種の中古平均販売価格が分かります。
年式や走行距離など細かな条件をプラスすれば、より自分が売りたい車に似ている車種の相場を把握できるでしょう。
ただし、ここで注意したいポイントがあります。販売価格には買取業者などの手数料や利益が含まれていることがほとんどです。
車種や車の状態によっても変わりますが、表示されている販売価格の約7割が売却価格の目安になると言われています。そのため、販売価格に0.7をかけた数字が売却価格の目安になると覚えておいてください。
大手車メーカーでは、新車ディーラーで車を下取りする場合の参考価格を公開しています。国産車であれば他のメーカーの車でも参考価格を調べることが可能です。
しかし、同じ車を参考価格シミュレーターで調べたとしても、メーカーによって金額に違いが出ることがあります。よりリアルな相場を知るためには、いくつかのメーカーのシミュレーターを利用するのも一つの手です。
車が売却されると、ほとんどが業者間のオークションにかけられます。買取業者はそのオークションでの実績をデータ化し、根拠のある金額を提示しています。
つまり、オークションでの実績を知ることができれば、自分が売ろうとしている車の相場を知ることが可能です。
しかし、オークションは業者しか参加できません。原則的に落札価格も業者しか見ることができませんが、業者のなかには個人の車を代行出品するところがあります。
そのようなオークション代行業者はサイトにオークション実績を載せていることがあるため、より具体的な数字を確認することができるでしょう。
1~3月上旬、7〜9月に売る
2つ目は、車が高く売れやすくなる時期に売ることです。
車は、一般的に1~3月と7~9月が高く売れやすいと言われています。それは、中古車販売店の決算期にあたるためです。決算期などは売上目標達成のために、普段より多少高くても車を買い取ってくれる場合があります。
また、転職や転勤で車を購入する人が増える時期でもあります。買取業者側は在庫を確保するため、多少割高でも車を買い取ってくれる可能性が高いです。
1~3月に車を売ると、もう一つメリットがあります。それは、自動車税との兼ね合いです。
自動車税とは、4月1日に車を所有している人に課税される税金です。軽自動車であれば一律10,800円、普通車であれば排気量によって30,000~60,000円かかります。
普通車の場合は自動車税を一度支払っても手続きをすることで未経過分が還付されますが、申請後その車両が廃車になって初めて還付されるという条件があります。また、軽自動車は還付金がありません。
そのため、3月上旬くらいまでには売ったほうがよりスムーズに売却を進めることができます。
売りたいと思ったらなるべく早めに売る
3つ目は、売ると決めたらなるべく早く売ることです。
たった今1~3月と7〜9月が高く売れやすい時期だと説明したばかりですが、場合によっては早めに売ったほうがいいケースもあります。それは、高く売れやすい時期まで待って車を使用し続けると、年式が古くなってしまう時です。
車の年式が古くなるのを待っていることは、わざわざ金額を下げにいってるようなものです。そのため、年式にも注意して売るタイミングを確認しましょう。
走行距離が多くなればなるほど査定額が下がるかと言われると、そうではありません。
走行距離は「1年で1万キロ」という目安があり、そこを基準にして査定額が判断されます。
査定額が下がる基準は5万キロ、10万キロとなっているため、いずれかの距離を過ぎそうな時は早めに売ったほうが良いでしょう。
車検前に売る
4つ目は、車検前に売ることです。
中古車は、車検が丸2年残っている場合でも、査定額に車検にかかった費用すべてをカバーできる金額がプラスされることはありません。
車検に10万円かかったとしても、査定額がプラス10万円になることは難しいです。そのため、車検が切れるギリギリで売るのがお得だと言えるでしょう。
フルモデルチェンジ前に売る
5つ目は、フルモデルチェンジの前に売ることです。
中古車は同じ車種の次期型が出ると、査定額が少し下がる傾向にあります。なぜなら、現行モデルよりも新型の人気が高まり、現行モデルの在庫が増えてしまうためです。
日本車は、主に1~2年に一度マイナーチェンジ(部分的なデザイン変更)があり、4~6年に一度フルモデルチェンジが行われます。
そのようなことも頭に入れながら売るタイミングを決めると良いでしょう。
フルモデルチェンジに付随して、オプションについても説明します。
純正のカーナビやETC、ホイールなどの付属品は、プラス査定につながる可能性があります。そのため、社外品に交換しているパーツがあれば、査定の時までに純正品に戻しておくと良いでしょう。
メンテナンスノートとは、メーカーの保証書とこれまでの点検の記録が一緒になっているもので、点検整備記録簿とも呼ばれます。
車体の整備の記録が一目で分かるため、このメンテナンスノートがあるとプラス査定になる可能性があります。
メンテナンスノートがある場合は、買取り査定の前にしっかり準備しておきましょう。
車の買取り査定で高く売る方法【交渉編】
買取り査定で誰もが通るのが、査定員との金額のやり取りです。査定員も人なので、よりよいコミュニケーションが取れれば査定額が高くなる可能性があります。
査定額の大幅アップは難しいかもしれませんが、お互い気持ちの良い交渉をすることが大切です。
ここでは【交渉編】として、査定員との交渉に着目しながら、5つの方法を紹介していきます。
1つ目は、査定を複数の買取業者にお願いする方法です。
査定額を比較することは、高く売るためには重要なポイントとなります。同じ車でも買取業者ごとに金額が違ってくるので、いくつかの買取業者にお願いして一番査定額の高い業者を選ぶのが良いでしょう。
一度にいくつかの買取業者に買取り査定を依頼できる、一括査定という方法もあります。
2つ目は、一番高い査定額を他の買取業者に伝える方法です。
査定員は営業マンでもあるため、より多くの買取実績を残さなくてはなりません。そのため、提示額が2番手、3番手あたりの査定員に一番高い査定額を伝えると、査定額を高くしてくれる可能性があります。
必ず高くしてくれるとは限りませんが、試す価値はあるでしょう。
3つ目は、あえて同じ時間帯に複数の買取業者から査定してもらう方法です。
2つ目の方法と原理は同じで、査定員に査定競争をしてもらうことが主な目的となります。そもそも買取業者は、車を買い取ることができなければ商売が成り立ちません。つまり、競合よりも高い金額を提示しなければならないということです。
このような背景から査定額のアップが期待できます。
同じ時間帯に複数の買取業者から査定してもらうと高い査定額が引き出せるかもしれないと紹介しましたが、その方法にはデメリットもあります。
それは、本来競合であるはずの査定員同士が、業者間を超え親密な関係になっていた場合です。査定員は担当するエリアがあるので、違う業者でも何度も顔を合わせることがよくあります。いわば顔見知りです。
そのため、裏で談合されるという可能性を秘めています。談合されてしまうと、査定額をつり上げることは難しいでしょう。
4つ目は、車を本気で売りたいという気持ちを見せることです。
売るのか売らないのか曖昧な態度では、査定員も本気で対応してくれません。交渉を持ちかけても軽くあしらわれてしまう可能性もあります。
しかし、本気なんだと伝われば話は別です。売る意思を強く出すことで、交渉に応じてもらえやすくなります。
具体的には「この金額なら売ります」と言えるのがベストです。そう言えるようになるためにも、事前に相場の金額を調査しておきましょう。
5つ目は、営業マンの策略にはまらないように注意するということです。
査定員はプロの営業マンでもありますので、駆け引きに長けています。「他の買取業者ではここまでの金額は望めないでしょう」「今即決してくれるならこの値段で買います」といったことを言い、不安をあおってくることが考えられます。
特に「今だけ」と言われると、ここを逃すと高価で買い取ってもらえないという錯覚に陥ってしまうでしょう。しかし、これはセールストークです。
冷静に考えると他の買取業者の査定額を知ってることや、短期間で査定額が下がることはおかしい話であると分かります。査定員に惑わされないよう、注意しましょう。
車の買取り査定で高く売る方法【お手入れ編】
買取り査定で少しでも高く売りたいなら、日頃の乗り方やメンテナンスに気をつけたほうが良いでしょう。
ここからは【お手入れ編】として、車の修理や清掃、メンテナンスなどに着目しながら、4つの方法を紹介していきます。
1つ目は、傷やへこみを無理に直さないということです。
買取り査定では、年式や走行距離のほかに車体の状態も査定額に大きな影響を与えます。そのため、車体に傷やへこみがある場合、買取り査定前に修理したほうが高く売れるのではないかと思うかもしれません。
しかし、基本的には車を修理したことによりプラスされる査定額よりも、修理費用のほうが高額な場合がほとんどです。売ろうと思っている車の修理を行うことで、損をしてしまいます。
傷やへこみがある車は無理に直さずに、そのまま査定に出しましょう。
自分で修理をする時は特に注意が必要です。自分で直せるような小さな傷であれば、研磨剤を使用して補修する方も少なくありません。
しかし、査定員は車体の表面を触ったり目線を変えたりしながら入念にチェックします。少しでも修理した形跡が分かるようであれば、マイナス査定になってしまうことがあります。
2つ目は、洗車や車内の掃除をしておくことです。
買取り査定の際に洗車や清掃を行っておくと、査定員からの印象が良くなります。きれいな車は、日頃からきちんと清掃されているというイメージを持たれやすく、メンテナンスも行き届いているだろうと印象付けることができます。
極端な査定額アップにはならないかもしれませんが、このような細かな気配りが最終的な査定額の判断につながっていくでしょう。
車内の掃除をするうえで、車のにおい対策は重要です。
車にしみついたにおいはすぐに消えることはありません。そのため、においは日頃から気をつけておく必要があります。
特にたばこやペットのにおいはマイナス査定になる可能性があるため、高く売りたいと考えているならば、禁煙車にしたり丸洗いできるペット用のシートを敷いたりするなどの対策をしましょう。
また、エアコンも見逃しやすいポイントです。エアコンを使用すると内部が結露するため、放置しておくとカビが発生しやすくなります。
カビが発生すると、エアコンを使用した時にカビのにおいが車内に広がってしまいます。車内がカビ臭いと感じた時は、エアコンが原因なのでしっかりお手入れするようにしましょう。
3つ目は、1週間に1回はエンジンをかけるということです。
車は、長期間エンジンをかけずに放置しておくと、コンディションが悪くなります。さらに、消耗品の劣化が進みやすいため、車の価値が下がることにつながります。
エンジンをかける目安としては、1週間に1度以上、30分程度と言われています。そして、できるならばエンジンをかけるだけではなく、走行するほうが望ましいでしょう。走らないままだと、エンジンのトラブルが起きやすいとされているためです。
車の寿命を延ばすことが、査定額アップにもつながります。
4つ目は、安全運転を意識するということです。
車に修復歴があるのとないのでは、車の査定額に大きな差がうまれます。
修復歴があるということは、車体のフレームに損傷を受けているということです。フレームは車の骨格のような部分なので、そこに損傷を受けていると修理してもトラブルが起きやすくなる場合があります。
「修復歴=事故車」ではありませんが、査定額には大きな影響を与えるでしょう。
オークション代行を利用するのも高く売る方法の一つ
車を売る際、買取業者やディーラーを省略し直接オークションに出品できれば、より手元に入る金額が高くなるのではと考える方もいるでしょう。それを可能にしているのが、オークション代行です。
ここからは、オークション代行のメリットとデメリットを解説します。
オークション代行とは、一般の人が参加できない車のオークションに代行業者が参加し、車の売却や中古車の購入を行ってもらうというものです。
車を売りたい場合は、売りたい車を持って行ってオークションに出品してもらいます。
オークション代行のメリットは、高額で売却できる可能性が高まる点です。
オークション形式なので、どんどん落札価格がつり上がり、買取業者に売るよりも高い金額がつく場合があります。また、ディーラーなどの仲介業者がいないため中間マージンがかからず、その分手元に残るお金が増える可能性があるでしょう。
オークション代行のデメリットは、売れ残る可能性がある点です。
売れ残っても売れた時と同じように手数料はかかるため、無駄なお金を使うとこになってしまいます。
売れ残る可能性は意外に高く、オークション全体の約2~3割は流札となっています。このようなことも頭に入れておくことが必要です。
また、いつ売れるか分からなかったり信頼できる代行業者かどうか判断しづらかったりとトラブルに巻き込まれる可能性も秘めているので、注意しましょう。